【郵政上場前夜 巨大企業の行方】(中)金融各社「共存か抵抗か」
更新◆地銀、信金も警戒
地方銀行や信用金庫も郵政グループへの警戒心は根強い。だが、人口減少にあえぐ地銀の中には、ゆうちょ銀とATM(現金自動預払機)の相互利用や中小企業向け投資ファンドの共同設立を模索する動きもある。
郵政民営化法や銀行法の規定では、ゆうちょ銀がファンドに出資できるかは不透明だが、金融庁は「地域活性化に役立つのであれば、案件ごとに承認する」(幹部)と前向きだ。
地銀だけではない。三井住友信託銀行と野村ホールディングスは個人向け資産運用会社をゆうちょ銀と共同で設立し、来年2月から全国の郵便局で販売する。3メガバンクに支店網で見劣りする三井住友信託にとって競争力強化の絶好のチャンス。全国津々浦々にある郵便局を販売窓口にできるのは大きな魅力だ。
ゆうちょ銀は住宅ローンや大企業向け融資への参入も政府に申請している。ただ、政府が持つ金融2社株の完全売却の時期は不透明だ。金融業界に「国の関与が残る中で新規業務参入は不公平」(地銀幹部)との批判は根強い。政府は株式売却で東日本大震災の復興財源4兆円を確保しなければならず、保有株を手放す前に価値を高めたい。
アメ(共存共栄)とムチ(民業圧迫)-。大手銀幹部は政府・与党や金融庁の思惑をこう評する。
上場で肥大化に拍車が掛かる郵政グループに接近すべきか、距離を置くべきか。金融各社は難問を突きつけられている。
■ゆうちょ銀行の巨大な店舗網
(会社数/国内店舗数(本支店・出張所))
ゆうちょ銀行 1社(日本郵便)/24182店(郵便局)
メガバンク 3行(みずほ、三菱東京UFJ、三井住友)/2251店
地方銀行 64行/7491店
第二地方銀行 41行/3057店
信用金庫 267金庫/7398店
※今年3月末時点。日本郵便、全国銀行協会、全国信用金庫協会のデータから作成
