レクサス、個性磨き独勢崩し 前例破りのデザイン性で「ドイツ御三家」に挑戦状
更新LCの原型は、2012年の米デトロイトモーターショーで発表した試作車「LF-LC」。このクルマはあくまで開発予定のないコンセプトカーで、エンジンの配置などの技術的な側面は一切考慮されず、実際に市販するのは不可能な意匠とされた。
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しかし、デトロイトショーでお披露目されるや、ジャーナリストをはじめ来場客から喝采を浴びた。とりわけ米国レクサス販売店のトップは大絶賛。「ぜひ、開発してほしい」という声がこれほどかというほど寄せられたという。トヨタの開発プロセスでは、通常は予定にない車両の開発を進めることはまずないが「皆さんの声がわれわれを変えた」(豊田章男社長)。ショーの後に開かれた、LCを開発するかどうかを判断した会議で、豊田氏と福市氏は技術陣に「開発は難しいが、できなさそうだからやる」とげきを飛ばし、改革の象徴として市販することを決めた。
「顧客の感性刺激」
トヨタにとって、前例破りの開発経緯をたどったLC。その開発に取り組んだ背景には、レクサスが抱えた構造的な課題がある。レクサスの世界販売の5割超を占める米国市場の顧客を中心に「品質は高いが、どうしても欲しいという感情を揺さぶるデザインなどに乏しい」とする厳しい評価が多かった。

