おそらくいまだに教習所では、バックの時には窓を開け、顔を出して、前後左右をしなさいねと教育されるに違いない。まあ、たしかになおかつ安全なのかもしれないけれど、現実的にはバックモニターを最大限活用することが有効である。
硬い体をどれほど捻じ曲げて後方確認しても、ドライバーの目線からは左右のピラーやトランクがあるから死角が残る。リアバンパー付近のカメラが届ける映像との比較では、圧倒的な差があるのだ。
メーカー間で主導権争い
そんな便利なバックモニターなのだが、メーカーによって表示方法の主導権争いが起きている。様々なカメラが捕捉した映像を上空からの擬似映像に合成して表示する方法と、上からではなくドライバー目線の映像を素直に再現するタイプに大別できる。前者は日産やテスラが積極的に進めている。「バードアイ」がそれ。
個人的な感想でいえば、バードアイはどこか使い辛さが残る。特に、脳の硬化が始まった僕には、自らのポジションを鳥の視点に変換するロスが生じるからだ。
人間の運転は、認知、判断、操作を繰り返している。その制度が高ければ高いほど安全である。認知はもちろん目や音。判断は経験や考え方。操作は運転テクニックである。この認知を圧倒的に高める機能の一つが、クルマのそこかしこに埋め込まれているモニターである。そう、モニターの数が多ければ多いほど認知性は高まる。
ただ、判断するのは人間だ。高い精度で認知し、正しく判断し、適切に操作してはじめて安全が保たれる。ぜひ判断しやすい表示にしてもらいたいものだ。
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【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちらから。
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