だが、なぜ躍動感を意識できたかは、そのトルク特性にある。ピークの出力は3psしか違いがなくても、ハーフスロットルでのミドルレンジトルクは350Nmから400Nmに高まっているのだ。アクセルペダルを床まで踏みこみ、エンジンに鞭を打って走らせれば3psの違いでしかないのだが、床踏みせずユルユルと加速させるとグイグイと来る。アクセル全開ではなく、ハーフスロットルで力強い。それが「Polestar Engineered」の個性なのだ。
ちなみに、「Polestar Engineered」は新車購入時だけでなく、新車納車後に取り入れる事も可能だ。数年ドライブして、そろそろ別の走り味が欲しい…。そんなときからでも設定可能なのだ。いわばアップデートである。ディーラーでの作業時間は約10分。18.8万円の追加投資ですむという。
かつてのレース部門がEV戦略に組み込まれるのはどこか淋しくもある。華やかな最前線で活躍してほしいとも思う。だが、レースで培った高度な技術が、これからのEV戦略に必要とされる事もまたどこか嬉しくもあるのだ。
「Polestar Engineered」となって光り輝く計器内のロゴをながめながら、かつての「Polestar Racing」の活躍に思いをはせた。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。