東芝株主総会詳報

調査報告書「すさまじい内容」と非難(3)

(2)永山取締役会議長、調査報告書「重く受け止める」

《昨年7月の定時株主総会が公正に運営されたものといえないとする調査報告書をめぐり、株主からの非難は続いた。平成23年の東京電力福島第1原発事故を引き合いに、経済産業省による不正の隠蔽(いんぺい)行為があったのではないかとの質問も出た》

 男性株主「調査報告書はすさまじい内容だ。随所に法令に抵触する行為があったと指摘された」

 綱川智社長「全ての取締役が重く受け止めている。再発防止に取り組む」

 男性株主「福島事故では、東電など全ての関係組織が隠蔽するよう圧力がかけられた。先程の調査報告書では、それが伏せられている」

 綱川氏「仕事上、安全保障に関わる仕事もやっている。透明性のあるコミュニケーションやっていく。真相究明をし、再発防止に努める」

 《東芝社内のパワハラ問題を訴え、社内風土の改革を訴える声も出た》

 株主「勤続30年の社員株主です。4年前に上司からパワハラを受け、鬱(うつ)病と診断された。上にいけばいくほど、東芝は腐っていると社員は内心思っている。関係者への厳しい処分を求めたい」

 三原隆正執行役常務「現在、さまざまなハラスメントが起きたら、会社に通報する仕組みを整えている。今後ともハラスメントが起きないよう全社で取り組む」

 綱川氏「誠意をもって対応したい」

 《株主からは東芝の持つ高い技術力への関心も寄せられ、激励の声も》

 男性株主「水素エネルギーはまだ普及に至っていない。数値目標を教えてほしい」

 小西崇夫執行役上席常務「水素事業はカーボンニュートラルに向けたキーテクノロジーだ。水素製造だとか燃料転換に十分な貢献をしていきたい。開発に邁進する。数値目標については控えたい」

 男性株主「スーパーコンピューターなどの開発をしているのは心強い。皆さん、ぜひ東芝を愛していこうではありませんか! 以上です」

 綱川「技術、人を大事にして事業運営をしていきたい」

(4完)「過重労働が深刻、パワハラも」とヤジ 2時間40分で閉会

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