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細胞の物質輸送を解明、病気の研究が進展 ノーベル賞 医学・生理学賞

ニュースカテゴリ:社会の科学技術

細胞の物質輸送を解明、病気の研究が進展 ノーベル賞 医学・生理学賞

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 医学・生理学賞は、細胞小器官の小胞がタンパク質などを輸送する仕組みを1970年代以降に解明した米エール大教授のジェームズ・ロスマン氏(62)、米カリフォルニア大バークレー校教授のランディ・シェクマン氏(64)、米スタンフォード大教授のトーマス・スードフ氏(57)に贈られる。

 生命活動に欠かせないタンパク質やホルモンは細胞内のゴルジ体などで作られ、薄い膜に包まれた小胞に取り込まれる。そのとき、小胞の膜には内容物に応じて特殊な膜タンパク質が形成される。

 細胞を取り囲む細胞膜には、この膜タンパク質と対になって引きつけ合う膜タンパク質が存在する。このため、小胞は細胞膜の膜タンパク質を標的にして細胞内を移動していく。

 膜タンパク質同士が結合すると、小胞に含まれる水分の表面張力で結合部周辺に穴が開き、小胞は破れて内部のタンパク質やホルモンを細胞外へ放出。こうして物質は体内の必要とされる別の場所へ運ばれる。

 ロスマン氏に師事した理化学研究所の合田裕紀子シニアチームリーダーは「ロスマン氏は小胞と細胞膜の融合機構、シェクマン氏は関係する遺伝子を解明。スードフ氏はこれらを基に、神経細胞が別の細胞に情報伝達物質を放出する仕組みを90年代初頭に突き止めた」と解説する。

 ロスマン氏らは当初、酵母を使って輸送のメカニズムを解明。その後、人間など他の生物も同じ仕組みを持つことが分かり、生物学から基礎医学へと研究対象が広がった。

 小胞の輸送機構の解明でがんや糖尿病、アルツハイマー病などの研究も進展した。シェクマン氏の指導を受けた東京大の中野明彦教授(細胞生物学)は「多くの疾患が小胞輸送機構の異常が原因と判明しており、病気の解明や創薬には、この機構の理解が不可欠になっている」と話している。(伊藤壽一郎)

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