SankeiBiz for mobile

【Bizクリニック】ネット販売、法規制の違いに注意を

ニュースカテゴリ:社会の話題

【Bizクリニック】ネット販売、法規制の違いに注意を

更新

 □弁護士法人はるか・弁護士 佐藤大輔

 電子商取引(Eコマース)事業の普及により、モノの売買が場所や時間に制約されず、容易かつ安価になった。あるショッピングサイトでは10月から初期費用、毎月の固定費、売り上げロイヤルティーを無料にするなど、さらに活性化する兆しを見せている。

 仮想空間での出店で、接客用の店舗賃貸コストもなく、少ない資金で開始できるEコマース事業は、これからさらに立ち上げが容易になり、個人レベルでの非店舗型事業形態も促進されるだろう。

 しかし、便利かつ簡単に開始できるEコマース事業は思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性がある。特に「特定商取引に関する法律」と輸入品における、海外と日本の法規制の違いに注意してほしい。

 Eコマース事業を規制する代表的な法律は「特定商取引に関する法律」。Eコマース事業はインターネットを介するため、集客面でダイレクトメール(DM)が活躍しそうだが、同法第12条の3は、予めの承諾がない者に対する電子メールによるDMを原則として禁止している。社会問題化している迷惑メールを防止する趣旨で、違反した場合の刑事罰もある。

 また、第15条の2第1項は、広告に特約を表示しない限り、購入者は商品の引き渡し又は権利の移転を受けた日から8日間を経過するまではその売買契約の申し込みの撤回又は解除ができる、と定めている。

 国民生活センターのホームページに「通信販売にはクーリング・オフ制度はありません」という記載があるが、代わりの規定があり、注意が必要だ。

 一方、海外で個人的に買い付けた物や輸入品をネット上で販売するのに、商品によっては特定商取引法以外の特殊な法規制が加えられている場合がある。

 例えば化粧品の場合、規制は薬事法がメーンとなる。日本の薬事法は世界の中でも非常に厳格であり、化粧品に含まれる成分単位で規制されている。

 欧州で普通に売られている物でも日本に輸入する際には書類上の検査と実際の品質検査で相当程度の時間をかけて成分検査が行われる。

 その結果、ほとんどの場合において、成分を変更しなくてはならない事態となっている。海外の免税店で日本と同じパッケージの化粧品がしばしば安く売られているが、税金面はもちろん、成分が異なることもその要因と思われる。

 このように輸入品の場合、海外と日本の法律の違いに注意する必要がある。

                   ◇

【プロフィル】佐藤大輔

 さとう・だいすけ 筑波大法卒。2011年弁護士登録(青森県弁護士会所属)。離婚などの家事事件や交通事故関連の一般民事事件を広く扱うほか、新規事業の立ち上げに伴う資金調達など企業法務にも携わる。34歳。

ランキング