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消費税不正還付、「国への詐欺」に監視強化 国税庁
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輸出免税制度を悪用した不正還付は、国をだまして不当な利益を得ることから「国に対する詐欺」といえる。消費税増税に伴う横行も懸念されており、国税庁は監視を強化している。
国税庁が平成25年6月までの1年間、還付申告した法人約6300社を調査したところ542件の不正還付が発覚。計13億1800万円を追徴課税した。20年以降、例年、調査対象の約1割で不正還付が見つかっている。だが、この数字も「氷山の一角に過ぎない」(国税関係者)という。
還付申告は年間13~15万件で推移しており、税務署は事業者から税額の計算表と申告書などの提出を受けるが、詳細な審査が追いつかないためだ。「手続きが遅れると申告法人の業務が滞り、利息にあたる還付加算金を払う必要が生じる」(同)ことも背景にある。
今回、告発された高橋正人実質経営者によると、約4年前、課税仕入れ額を打ち間違えた計算表を税務署に提出した。
後日、誤りに気づいたが、15万円が余分に還付され、国税当局から誤りの指摘はなかったため、今度は意図的に不正を行うようになったという。ある国税幹部は「不正還付には指南役がいることが多かったが、最近は個人で行うケースが増えた。不正の土壌が広がっている可能性がある」と指摘する。
こうした事態を受け、23年には消費税の還付を不正に受けようとした段階で処罰できる「未遂罪」を新設。24年には還付申告の際に仕入れの内訳などを記入する「明細書」の添付も義務化された。消費税増税も踏まえ、国税当局は多額の還付を受けた法人を重点調査するなど対策を進める。