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フィリピン 酒・たばこ増税、赤字削減に貢献 13年物品税徴収額2倍

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フィリピン 酒・たばこ増税、赤字削減に貢献 13年物品税徴収額2倍

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 フィリピンは、昨年から実施している酒・たばこの物品税増税が財政再建に寄与した。同国財務省によると、2013年の物品税の徴収額は1009億ペソ(約2320億7000万円)に達し、12年の568億ペソから約2倍となった。13年の財政赤字は12年に比べ32%縮小して1641億ペソとなり、酒・たばこの増税が赤字削減に大きく貢献した。現地紙マニラ・ブレティンなどが報じた。

 同国政府は12年に国民の健康増進と税収増を目的に改正法を制定し、翌13年から酒・たばこの物品税の値上げを実施していた。13年の改正法による税収押し上げ効果は514億ペソで、政府の事前予想341億ペソを大きく上回った。押し上げ効果の内訳はたばこが421億ペソ、酒が93億ペソとなっている。

 また、同省は13年のたばこ製造業者の工場出荷量が490万箱となり、前年の580万箱から15.5%減少したと指摘。喫煙者の減少にも貢献したとしている。

 このほかにも酒・たばこの税収増によって14年の保健省の予算が837億ペソと、13年の530億ペソから大幅に増加した。これによりフィリピン健康保険公社が運営する公的健康保険への加入世帯が昨年の520万世帯から、今年は1470万世帯に増加する見通しだ。

 現地紙マニラ・タイムズによると、世界銀行はこうしたフィリピン政府の取り組みを高く評価している。世銀幹部は同国の酒・たばこ税の改正を「記念碑的な成功」と持ち上げ、「他の東南アジア諸国に波及することを期待する」と述べた。

 改正法では17年まで段階的な増税が毎年実施されることが規定されている。今年も1月から、たばこは1箱当たり2~5.5ペソ、酒は蒸留酒が来年までの据え置きとなったものの、ビールなど醸造酒が1リットル当たり1~2ペソ引き上げられた。政府は今年の酒・たばこの物品税徴収額を1048億ペソと見込む。

 一方、たばこ製造業者の間では、フィリピンのたばこ販売価格は増税後でも他の東南アジア諸国と比べて安く、全体の消費量は変わらないとの見方が一般的だ。税制改正によって密輸品が増加したと指摘する専門家もおり、今後も同国の酒・たばこをめぐる議論は続きそうだ。(シンガポール支局)

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