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【朝日新聞会見詳報(8)】問題拡大の原因は…「記者の思い込み、チェック不足が重なった」木村社長

ニュースカテゴリ:社会の事件・不祥事

【朝日新聞会見詳報(8)】問題拡大の原因は…「記者の思い込み、チェック不足が重なった」木村社長

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木村伊量社長の会見には多くの報道陣が詰めかけた=11日午後、東京・築地(川口良介撮影)  (20:40~20:50)

 《東京電力福島第1原発所長として事故対応にあたった吉田昌郎氏=昨年7月死去=が政府事故調査・検証委員会の聞き取りに答えた「聴取結果書」(吉田調書)に基づく記事の撤回を表明した朝日新聞の会見は、開始から1時間以上が経過しても、質問者の手が上がり続けている》

 《会見場の前方には、朝日新聞幹部として木村伊量社長、杉浦信之取締役編集担当、喜園(よしぞの)尚史執行役員知的財産・広報・ブランド推進・環境担当の3人が着席。質問内容に応じてそれぞれ回答する》

 記者「本日の会見の経緯について伺います。本日、何度か広報に連絡しましたが『まだ発表することはない』と言われました。しかし、朝日新聞の記者が『社長の会見がある』と(短文投稿サイト『ツイッター』で)ツイートしていた。どのように会見をすることにして、発表したんですか」

 喜園執行役員「すべて段取りが固まった段階で、お知らせするということをやらせていただいた。色々な情報が流れたが、組織としてはきちっと(会見概要を)連絡できるときに連絡した。基本的に、(会見は)何時からどこ、とお知らせできるというところで、今回もお知らせさせていただきました」

 《続いて、記者が木村社長に質問。木村社長はこの日の会見の冒頭、『編集部門の抜本改革など、再生に向けておおよその道筋をつけた後、速やかに進退について決断する』と表明していた》

 記者「もし後継者に道を譲るとした場合、個々人の記者の実名で、時に社を批判するツイートをするなどの自由な社風は残しますか」

 木村社長「たとえ社長に向けられた批判であれ、(発信に)制約をかけるような暗い社会、監視社会にしてはならないというのが私の信念です。仮定の質問へのお答えは避けさせていただくが、後任者も朝日新聞の幹部である以上、(批判を封殺しないのは)当然のことと考えています」

 《再び、質問が朝日新聞の慰安婦問題報道に及んだ》

 記者「御社の報道が、国際的非難を呼んだことについて」

 杉浦取締役「朝日新聞の慰安婦報道がどのようにそういった問題(国際関係など)に影響を与えたかを、朝日新聞自身が総括するのはなかなか難しい。新しい第三者委員会に具体的検討を委ねたい」

 記者「木村社長に伺いたい。真実だと思うことが誤報ということもあるだろうが、今回なぜこのように大きな問題になってしまったのか。なぜだと考えていますか。朝日新聞だったからなのか、対応に問題があったのか」

 木村社長「私の方からお答えさせていただきます。冒頭の説明でも申し上げましたが、このような、朝日新聞の信頼を根底から覆すようなことが起き、読者の信頼…、東電関係者にご迷惑をおかけしたことは失点として記者会見させていただいた。これは一部の記者の問題であったのか、もっと根深い問題があるのかも含め、われわれの社内の委員会で追及するとともに、社外でも第三者委員会を立ち上げ、違う観点からじっくりと徹底的に検証していきたい」

 記者「それは、(なぜ大きな問題になったか)分からないということですか」

 木村社長「現時点ではこういうことであろうかと、記者の思い込み、記者のチェック不足が重なったのが原因と今のところ判断してると、報告を受けているが、別の問題があるのかも、構造的問題があるのかも含めて検証していきたいと思います」

 記者「第三者委員会とか人権委員会でやるのもいいが、この問題というのは上から考えてこういうことなんだ、ということでなく、なぜこういうことになったのだろうと、そういうところから考えないと直らないのではないか」

 杉浦取締役「吉田調書の問題については、まずは朝日新聞自ら、全社の中から検証を、問題の原因がなんだったのかという議論をやろうとしています。次の編集担当、現在の局長とともに話を進めているところです。朝日は福島第1原発事故の後、『原発とメディア』という連載もしています。そういった蓄積を生かしながら、今回の問題についてもどういった問題があったのか検証していきたい」

 記者「2点あります。吉田調書報道について、週刊誌への抗議文を撤回するということだった。朝日新聞の紙面を通じて、雑誌に抗議した事実を記事として掲載していたが、こうした記事も撤回するんですか。社長は『記者の思い込み』などと言っていたが、具体的にどういうことですか」

 喜園執行役員「確かに朝日新聞の紙面で(雑誌に)抗議したことを記事にしました。その抗議は撤回するということですから、(記事も)誠実にきちっと対応していこうと思います」

 杉浦取締役「記者の思い込みというのは、まさに(所員が吉田所長の)命令違反(となること)を知っていて意図的にそれに背いて、第2(原発)に撤退したという、そういう思い込みということでございます」

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