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【朝日新聞会見詳報(11)完】慰安婦問題「アジアとの和解問題として従来の主張続ける」 木村社長
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会見に臨む(左から)朝日新聞の喜園尚史広報、木村伊量社長、杉浦信之取締役編集担当=11日午後、東京都中央区(川口良介撮影) (21:10~21:20)
《東京電力福島第1原発事故をめぐり、政府が吉田昌郎所長(当時)への聞き取り調査の結果をまとめた「吉田調書」についての朝日新聞社の会見が続く》
《朝日新聞は会見で、5月20日付朝刊の「所長命令に違反、原発撤退」とした記事の誤りを認め撤回。その上で木村伊量(ただかず)社長は、社内の態勢が整った後で自らの進退についても決断すると言及している》
記者「進退を明らかにするのは、慰安婦問題か、それとも吉田調書か」
木村社長「慰安婦問題については、冒頭に説明させていただきましたが、8月5日の検証の中で至らざるところがあったと。遅きに失したということについては遺憾に思っていますし、おわびさせていただきたい」
「しかし、検証の内容につきましては、全く自信を持ったものですし、慰安婦問題をこれからも、こうした過去の問題はあったにせよ、それをきちんとした反省の上で、われわれはこの問題を、大事な問題、アジアとの和解問題、戦地の中での女性の人権、尊厳の問題として、これからも明確に従来の主張を続けていくことは、いささかも変わりません」
「今回の、この吉田調書報道をめぐるおわびについて、大変深く反省をし、全体的に責任も感じていますので、私は最終的に判断すると明確に申し上げたい」
《木村社長は慰安婦問題については、これからもスタンスを変えないことを明確に宣言した》
《続いて、記者は吉田調書の問題に質問を戻す。誤った報道がなされた要因として、朝日新聞側は、記者の思い込みやチェック不足を挙げた》
記者「記者の思い込みやチェック不足があったということだが、具体的に思い込みというのはどういうものか」
杉浦信之取締役編集担当「命令があったということから、命令違反があったという思い込み。そこから、さまざまな今回の問題が生じました」
記者「調書からは命令違反があったというのは、どうしても読めない。意図的なねじ曲げではないのか」
杉浦取締役「私自身としては、ねじ曲げはなかったと思う。しかし、結果として、ご指摘があったことを、真摯(しんし)に受け止めます」
記者「吉田所長ら遺族への謝罪の考えはあるのか」
杉浦取締役「記者会見を開き、それを紙面化しておわびも申し上げることが最初のわれわれに課せられたものだと考えています。今後のことは、これから考えていきます」
《取材班は“誤報”の批判が寄せられた後、検証紙面を何度か希望していたいという》
記者「取材班は検証取材をしたいとしていたというが、自分たちが間違ったことを認識していたということか」
杉浦取締役「検証は、われわれが今やっているものとは違うと思います」
記者「正当性を検証するというものか」
杉浦取締役「どちらかというと、そういう側面があると思います」
記者「他紙の取材を受ける過程で間違いに気づいたのか」
杉浦取締役「調査の指示は当然出していましたが、取材班とは別の、独立したデスクや新たな目で、記事や資料を精査する者をさらに投入する中で、今日の判断になりました」
《まだ質問を望む記者もいたが、進行役が打ち切り、2時間近く続いた会見は終わった。木村社長らはフラッシュがたかれる中、厳しい表情で会見場を後にした》
=(完)