SankeiBiz for mobile

性別による就職差別訴訟 1審で慰謝料支払い命令

ニュースカテゴリ:社会の話題

性別による就職差別訴訟 1審で慰謝料支払い命令

配信元:中国新聞

更新

山西省太原市で行われた航空会社のキャビンアテンダント試験に参加する女子大学生ら(中国新聞社)  「男女差別により就職する権利や人格権を侵害された」として、河南省にある大学の卒業生、黄蓉さん(仮名、女性)が今年6月、浙江省杭州市の調理学校「杭州西湖区東方調理職業技能訓練学校(杭州新東方)」を相手取り、精神的苦痛に対する損害賠償などを求めていた訴訟で、1審の杭州市西湖区人民法院(裁判所)は今月中旬、判決公判で杭州新東方が性差別のため黄蓉さんの就職する権利を侵害したと認定、慰謝料2000元(約3万8500円)を支払うよう命じた。書面による謝罪請求については法的根拠が不十分だとして却下した。性別による就職差別訴訟は中国ではこれが2件目。

 黄蓉さんは今年6月に河南省のある大学を卒業。黄蓉さんによると、その後杭州市で就職活動中、性別を理由に杭州新東方から事務員の応募を3度断られた。2度はネット上で履歴書を送信したが返事が来ず、杭州新東方の人事部門に電話したところ「選考は男性に限る」と断られた。黄蓉さんは次に履歴書を持って人事部門を直接訪ねたが、「この職務は出張が多く、その際女性がいると別の部屋を取る必要があり経費が増す」として応募を拒んだという。

 中国政法大学の劉小楠副教授は本紙(中国青年報)に対し「(雇用時の男女差別は法律で禁止されているが)実際には多くの男女差別が『合理的だ』と見なされている」とした上で、「例えば肉体労働や出張の多い仕事は男性のみの募集が当然だと、一部の女性も含めてみんな考えている」と語った。

 中華全国婦女連合会婦女研究所の楊慧・副研究員が今年6月から7月にかけて、北京市と山東省、河北省にある3カ所の大学で行った調査によると、86.6%の女子学生が1種類、またはより多くの男女差別を受けたことがあると答えた。女子学生の80.2%が、求人情報に男性のみまたは男性優先の募集だと記載されている▽女性の履歴書は受け取らない・見ない▽女性には筆記や面接試験の機会を与えない▽女性には2次試験の機会を与えない▽女性には学歴の条件を高く設定する-などの差別が存在すると認識していた。また男性の52.9%が求人の際、上記のような差別が存在すると認識していた。(中国青年報=中国新聞社)

ランキング