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訃報
「ボンカレー」生みの親・大塚明彦会長のお別れの会 3000人が故人しのぶ
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昨年11月28日に77歳で亡くなった大塚ホールディングス(HD)会長の大塚明彦氏のお別れの会が21日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。業界関係者ら約3000人が弔問に訪れ、世界初の一般向けレトルト食品「ボンカレー」をはじめ独創的な商品を手掛けた故人をしのんだ。
大塚氏は中央大学工学部を卒業後、1960年に父親が経営していたグループの大塚製薬工業に入社。医療用のパッケージを食品に応用したレトルト食品「ボンカレー」を発案し、69年の全国発売から現在も人気が続くロングセラー商品に育て上げた。また生涯、独創性にこだわり、清涼飲料「ポカリスエット」や健康食品「カロリーメイト」などユニークなヒット商品を世に送り出した。
大塚HDの樋口達夫社長は「会長は常に創造性を求め、『骨の髄までメーカーだ』と現場を大切にし、大塚ならではの取り組みを続けてこられた」と故人をしのんだ。
また、中外製薬の永山治会長は弔辞で「経営者としての経営哲学と、強い情熱、経営の本質に迫る鋭い観察眼と見識を持ったすばらしい先輩でした」とたたえた。
会場に飾られた祭壇は高さ約7メートル、幅約57メートル。故人の生誕地で大塚HDの発祥の地である徳島県の鳴門のうず潮をイメージした。
喪主で、故人の長男の大塚一郎・大塚HD副会長は「5年にわたる闘病生活を終え、安らかな最期を迎えました。長生きしてほしかった半面、病から解放されたことにほっとしたことも正直な気持ちです」と語った。