廃炉か延長か…エネ政策転換点 原発淘汰の時代 追加工事費回収が判断基準
更新自治体対策を検討
政府も「安全性が確認された原発の再稼働をあわせて推進したい」(菅義偉官房長官)立場で、経産省は立地自治体に職員を派遣し避難計画の策定などを支援。原発に厳しい目を向ける世論の理解を得たい考えだ。
これまで「電源三法交付金」の形で国から財政支援を受けてきた原発立地自治体は、廃炉で経済的な影響を受ける可能性が大きい。宮沢洋一経産相は、自治体が「(財政支援が)急になくなるということで不安を持っている」とした上で、「自治体と相談して方策を講じていく」と述べ、対応策を検討する考えを示した。
原発の解体で生じる「核のごみ」の処分方法や、原発にかかわる人材や技術の確保など、政府に求められる課題は山積だ。
大半の資源を輸入に頼る「資源小国」日本は、電力の安定確保のために原発の活用が不可欠だが、将来のエネルギー政策で原発をどう位置づけるかについて政府の姿勢はまだみえない。2030年にどのように電力を確保するかを示す政府の「エネルギーミックス(電源構成比)」の検討会議でも、「本格的な議論は5月に入るのではないか」(委員の一人)との見方も出ている。エネルギー政策の過渡期に、電力会社などが先を見通せない状況が続きそうだ。
