西日本豪雨からの復興を願い実現…今年も「1000人の金田一耕助」集まる
更新募金への寄付額は前日23日時点で約320万円。「当初予想の5倍で、ありがたい。寄付した方からは『私たちの受け皿になってくれた』と逆にお礼を言われ恐縮した。それだけこの行事を愛し、実現を強く望む人がいるんだと痛感した」と川崎さんはいう。
愛される金田一シリーズ
金田一は、難解な事件を見事な推理で解決に導く私立探偵。シリーズ第1作「本陣殺人事件」は、横溝が真備町岡田に疎開中に執筆。同小説中で金田一が初登場した日が昭和12年11月27日とあるため、イベントは平成21年から毎年、この日に近い11月下旬の土曜に開かれている。
「本陣-」の舞台も真備町周辺で、最初に金田一が降り立ったとされる場所が清音駅のため、イベントは作中の情景に思いをはせて歩く「聖地探訪」のおもむきだ。最近は「獄門島」の釣り鐘や「病院坂の首縊(くくり)りの家」の風鈴など、作中事件で重要な役割を果たしたものを模した人もいて、「よくぞ、あんな工夫を」と周囲を楽しませている。
豪雨で開催が危機に
倉敷市は、今年度も関連行事を合わせ「巡・金田一耕助の小径」の事業名で210万円を予算化。市と実行委を構成する地元の「岡田地区まちづくり推進協議会」などと、例年通り開催を計画していた。ところが7月の西日本豪雨で真備町地区は水没し、51人が犠牲に。復興も道半ばの中、イベントについて地元では「亡くなった人が多い中、不謹慎だ」との声も出た。過去にも、コース付近で死亡事故などがあった年に内容を控えめにしたこともあるという。
やや高台の旧疎開宅は浸水を免れたが、参加者の交流会に使う地元公民館は天井まで浸水し、保管していた寸劇用の道具類は使えなくなった。
中止ムードが濃厚だったが、それを一変させたのが川崎さんの始めた募金サイトだった。「道具類の買い替え費用に」などとして、横溝作品の登場人物をはじめ「江戸川乱歩」や「シャーロックホームズ」など推理小説ゆかりの匿名で寄付が増え始めたことも話題を呼んだ。






