ニュースカテゴリ:暮らし
仕事・キャリア
住宅各社で営業ウーマン“争奪戦” リフォーム需要高まる
更新
エス・バイ・エルでは部署の垣根を越えた女性チームが商品開発も進め、営業以外での戦力化に力を入れている(エス・バイ・エル提供) 住宅メーカー各社が女性社員の戦力化を急いでいる。体力・気力が必須なため男性社会が色濃かった営業職を中心に女性の採用が急増し、特に目立っているのがリフォームの営業増強だ。住宅リフォーム需要が高まっており、家庭生活の実体験を営業に反映できる女性に熱い視線が集まっている。
「採用試験でも成績優秀者は女性が多い。良い人材を採ろうと思うと、もはや女性は欠かせない存在」。積水ハウスの広報担当者は、女性を戦力にする重要性をこう説明する。
住宅メーカーの中でいち早く女性営業マンの採用を進めてきた同社では、本体にいる約5千人の営業職のうち、女性は業界最多の250人だ。平成12年の営業職採用で1%だった女性の割合を、ここ数年は20%前後にまで増やした。
子会社で住宅リフォーム業を手がける積水ハウスリフォームでは、本体を上回る約400人の女性営業マンが活躍。同社に属する営業マンの半数に上り、リフォーム業における女性営業マンの存在感は年々高まっている。
一方、大和ハウス工業も、住宅リフォーム業のダイワハウス・リニューで働く営業の約4割が女性だ。リフォーム営業での採用を増やしているエス・バイ・エルも将来、同部門の女性の比率を5割程度にする計画を検討中。
各社とも結婚、育児経験のある30~40代を中心に、インテリアコーディネーターなどの有資格者らに狙いを定めており、有能な女性を奪い合う状況となっている。
新築戸建て住宅やマンション販売部門に比べ、リフォームの女性営業マンが増えているのには理由がある。
各社にとって住宅リフォーム事業は、少子高齢化で先細りが懸念される新築戸建て住宅の販売を補う意味でも重要な柱だ。中でも長く需要が見込めるのは、キッチンなどの水廻り。そこでは、家事に携わる女性や主婦の悩みに応えられる女性営業マンの視点が欠かせないというわけだ。
女性採用数の増加と並行し、勤務制度の見直しも進んできた。狙いはリピーター客の存在が重要なリフォーム営業において、結婚や出産による退職者を減らすこと。お得意先を逃さないためには、長く働き続けられる職場環境の確立が欠かせないからだ。
積水ハウスでは、子供が病気になった際の看護休業や、育児のために就業時間を短縮するなどの制度に加え、個々の家庭事情に応じた対応も強化。休日を一定の範囲内で変更できるようにするなど、おのおのの都合に合わせた出勤が可能な勤務体系を整えている。
勤務について柔軟な対応を進めても、成績への時短の影響はゼロに等しいという。積水ハウスの経営企画部・女性活躍推進グループでリーダーを務める伊藤みどりさんは「意欲や自立心が高まることで、営業目標を上回る女性営業マンも多い」と話す。
エス・バイ・エルも育児休暇の最初の3日間を有給休暇にするなどの制度を導入。ダイワハウス・リニューも女性営業マンを対象に週休3日制や就業時間の短縮を検討している。
こうした勤務制度の充実は、人材の誘引策としても効果を発揮する。少子高齢化で採用難の長期化も見込まれる中、働き方の提案も含めた女性営業マンの争奪戦はさらに激しさを増しそうだ。(田村慶子)