ニュースカテゴリ:暮らし
生活
「もったいない」で割引販売 賞味期限間近…捨てられていた食品
更新
賞味期限が間近だったり、規格外だったりして、まだ食べられるのに販売されずに捨てられる食品が割引されて販売されるようになってきた。通常では高い価格の食品も手頃な値段で買えるとあって、人気商品はすぐに売り切れてしまうこともある。情報をこまめにチェックし、利用してみては-。(平沢裕子)
賞味期限は、その日付までならメーカーが品質を保証し、おいしく食べられることを意味する。期限を過ぎたら食べられないわけではなく、期限内なら十分おいしく食べられるものだが、食品流通業界の商習慣の「3分の1ルール」によって、まだ食べられる食品が廃棄されているのが現状だ。
財団法人「流通経済研究所」の推計では、卸業者からメーカーへの加工食品の返品は平成23年度で990億円に上る。企業にとって大きな損失だが、高級食材などはブランドイメージもあり、値崩れを防ぎ、商品価値を守るために廃棄している面もあるという。
世界の茶専門店「ルピシア」(東京都渋谷区)も以前は3分の1ルールに従い、賞味期限が残っているが販売期限切れの茶は廃棄処分していた。しかし、「まだおいしく飲める茶を捨てるのはもったいない」と、通常の店舗とは別に「ルピシア・ボンマルシェ」を20年に東京・代官山にオープンした。
「ボンマルシェ」はフランス語で「お買い得」の意味。同店では、同社オリジナルの茶に加え、趣旨に賛同したメーカー約50社のレトルトカレーや調味料、ゼリー、チョコレートなど賞味期限が近かったり、見栄えが悪かったりの理由で本来は破棄される食品を販売している。現在、神戸や倉敷などに10店舗ある。
10月下旬に訪れた代官山店では、賞味期限まで十分あるが、販売時機を逸したゼリーや桜風味の茶などが20~30%引き、高級茶葉のダージリンなどは50%で売られていた。中島まりな店長は「自宅用として茶を買われる方が多い。食品や調味料は賞味期限以内に食べきれるかどうかを考え、食べ方や使い方を聞かれることもあります」と話す。
松坂屋上野店(台東区)も3年前から年2回、賞味期限が近づいた缶詰や割れたせんべいなどの食品を3~7割引きで販売する「理由(わけ)ありセール」を実施。5年前から行っている、お歳暮とお中元の箱詰め商品をばらして割引販売する「解体セール」と合わせ、人気イベントとなっている。
10月に実施された理由ありセールでは、賞味期限が迫ったカニの瓶詰や缶詰、規格外の明太子に人気が集まった。広報担当者は「理由あり商品とはいえ、通常販売の商品とクオリティーは変わらない。しょうゆなどの調味料をまとめ買いされる方も多い」。
スーパーなどでも消費期限や賞味期限が近くなった食品をまとめて販売するコーナーが増えている。
商品の製造日から賞味期限までを3分割し、「メーカー・卸業者が小売店に納入する期限は製造日から3分の1の時点まで」「小売店が消費者に販売する期限は3分の2の時点まで」としたルール。期限を過ぎた食品は卸業者がメーカーに返品し、大半が廃棄されている。こうした廃棄食品の削減は大きな課題となっており、現在、経済産業省や食品流通業界が連携し、ルールの見直しなどを検討している。