【江藤詩文の世界鉄道旅】バングラデシュ鉄道(2)乗車券売り場は“不思議”の連続…列車に遅れて茶店でひまつぶし
更新窓口には古びた鉄格子がはまっていた。安全上の理由だ。その前には引きも切らない長蛇の列。それなのに鉄格子のすき間を指差し、そこからカメラを差し込んで自分の写真を撮れ、と、係員は言う。不可解の連続に思考が止まり、言われるまま撮影してしまった。
予定していた列車には予想通り乗り遅れ、次の出発まで1時間20分ある。時間を持てあまし、構内にあった茶店に入った。なかなか繁盛している。朝食を取り損ねたので、あちこちで食べているパウンドケーキを適当に指差して注文する…。と、まるごと1本(約5人分)出てきた。
見慣れない人種が突然入ってきて、あちらも慌てふためいているようだが、こちらだってどうしてよいかわからない。
だけど。バングラデシュならまあ、よいようになるだろう。お茶をカップから受け皿にこぼし、それをすするベンガル人たちを見ながら、くつろいだ気分で甘いミルクティーに手を伸ばした。
■取材協力:Bangladesh Tourism Board
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。




