■アイデアを呼び起こす方法伝授
私が働くテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2001年に大阪に誕生しました。開業年度こそ年間集客1100万人を達成しましたが、私が入社する直前は、700万人台前半まで低迷していました。それが2年連続で100万人ずつ伸ばし、2013年度は1060万人を達成する見込みです。2014年には450億円を投じたハリー・ポッターのテーマパークのオープンも予定しています。
改革の陣頭に立って私が戦った3年間は、経営資源が圧倒的に足らない厳しい道程でした。多くのピンチを救ってくれたのは、私がひねり出した「アイデア」たちです。
タイトルにもなっている「後ろ向きに走るジェットコースター」は、コロンブスの卵のようなアイデアですが、行列待ちが9時間40分という記録的なヒットとなりました。
そのほか「ハロウィーンにパークをゾンビで埋め尽くす」「世界一の光のツリー」「生存率限りなくゼロのアトラクション」などのアイデアが大当たりし、USJはV字回復を達成しました。
私のことをクリエーティブなひらめきを持った右脳人間だと思う方がいるようですが、実は左脳型の「四角い頭」の人間です。そんな私が数々のアイデアをひねり出せたのは、革新的なアイデアを生む「確率」をあげる方法に気付いたからです。私はこれを「イノベーション・フレームワーク」と名づけました。この方法を使えば、天才から凡人の手にアイデアを取り戻すことができるのです。
本書ではテーマパークの実例を通し、イノベーション・フレームワークをわかりやすく解説しています。
金がなくても、コネなくても、アイデアだけはあなたの頭の中に眠っています。それを呼び起こす方法を包み隠さず書きました。それはきっとあなたのビジネスにもお役立ていただけると思います。(1470円 KADOKAWA)
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【プロフィル】森岡毅
もりおか・つよし 1972年生まれ。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったUSJをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、本部長。