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もうすぐ新学期 「睡眠」見直し、生活リズムを整える
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夏休みもあと少し。新学期に向け、夜更かしなどで乱れた生活を直さなくてはならない。季節の変わり目で夏の疲れが出てくる時期でもあり、体調を整え、生活リズムを立て直すには「睡眠」が大きな鍵を握るという。(横山由紀子)
「脳に効く『睡眠学』」(角川SSコミュニケーションズ)、「伸びる子どもの睡眠学」(恒星社厚生閣)の著者で滋賀医科大学睡眠学講座の特任教授、宮崎総一郎さんは生活リズムを整えるための眠りのポイントとして、「早起き早寝」「スムーズな起床・就寝」「食事」の3つを挙げる。
1つ目の「早起き早寝」。「『早寝早起き』ではないことがポイント」。人の体内時計は本来、約25時間周期で刻まれ、24時間周期の外部環境とは約1時間のずれが生じる。そのため、夜型の生活にずれ込んでしまいがちだ。だが、早起きして朝の光を浴びることで体内時計をリセットし、24時間周期で活動できるようになる。
太陽の光を浴びることで、眠気を誘い心身を休息の状態にするメラトニンといわれるホルモンの分泌が抑制される。メラトニンは朝目覚めてから15~16時間後、再び分泌される。朝6時に起きれば、自然と午後9時過ぎには眠くなり、「早寝」も可能になる。
ただ、早計は禁物。宮崎さんは「夏休み中に朝8時に起きていた人が突然、朝4時に起きたからといって、一気に体内時計がリセットされると考えてはだめです。数日かけて、少しずつ体内時計を調整していくのが大切」と話す。
2つ目は、スムーズに起床・就寝するための工夫だ。夜、寝るときに寝室のカーテンを10センチほど開けておく。すると、朝日が昇るとともに部屋に光が差し込み、目覚めが良くなる。「遮光カーテンを閉めたままの室内は太陽光が入らず、暗いまま。少し開けておくだけで太陽光が差し込み、体が目覚めの準備を始めるのです」(宮崎さん)
寝る前には部屋を暗くすること。光を浴びてしまうとメラトニンの分泌が抑制され、寝つく時間も遅くなってしまう。「夜9時以降は、テレビ、携帯、パソコンは控えた方がいい」
3つ目は食事。睡眠と食事には深い関係がある。眠気を誘発するメラトニンはアミノ酸の一つ、トリプトファンから作られるが、体内では生成されず、体外から摂取するしかない。
トリプトファンを多く含む食品は、大豆加工品、乳製品、ナッツ類、魚、肉、鶏卵、バナナなど。消化・分解され、トリプトファンが体内に取り入れられるまでを考えると、「朝食で食べるのがベスト」だが、朝食に肉や魚をしっかり食べるというのは現実的ではない。宮崎さんは「いつもの朝食にかつお節やしらす、卵などを加えることから始めてみては」と提案する。
この時期、夏休みの宿題で徹夜する子供もいるだろう。宮崎さんは睡眠学の観点から「徹夜はダメ」と言い切る。「人間の脳は15時間くらいしか働くことができない。それ以上使うと、酒気帯び運転と同じくらいの作業効率になってしまう。早起きして昼間に頑張り、生活リズムを整えて新学期を迎えて」と話している。