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働く女性のストレス事情 約8割が実感…原因や解消法は時代とともに変化

ニュースカテゴリ:暮らしの生活

働く女性のストレス事情 約8割が実感…原因や解消法は時代とともに変化

配信元:@DIME

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【LIFE HACKS】

 2020年までに、指導的地位に占める女性の割合を3割にする目標を掲げるなど、仕事と家庭の両立を図りながらも女性が働き続けられる施策案が、次々と打ち出されている。働く女性の活躍やライフスタイルに注目が集まる一方で、いつの時代も働く女性とは切っても切れないのが「ストレス」。では、現代の働く女性たちがどのようなストレスを抱えているのか? 株式会社ナガセ ビューティケァでは、全国の20歳代~50歳代の働く女性を対象とした「働く女性の「ストレス」に関する意識調査」と題したアンケート調査を実施。調査の結果、働く女性の約8割がストレスを実感しており、その原因は「仕事」であることが判明。「寝て」解消するはずがその半数が睡眠自体に不満を持っており、睡眠への対策は「とくに何もしていない」が圧倒的多数であることがわかった。

 ■働く女性の約8割がストレスを実感。7年前と状況変わらず

 働く女性に『現在ストレスがある、あるいはストレスがたまっていると実感しているか』を質問したところ、8割近くがストレスを実感していることが分かりました。2007年にナガセ ビューティケァで実施した『働く女性の「ストレス」に関する意識調査』でも、同じく約8割がストレスを実感しており、多くの働く女性がストレスを抱えている状況は7年前も現在も変わらない一方、ストレスの内容や解消法は時代とともに少しずつ変化していることが、今回の調査で分かった。

 ■ストレスの度合い、平均で63.5%。半数以上が「70%~100%」と回答

  前問でストレスを感じている人に、『現在のストレスの度合い』を質問したところ、ストレスの度合いは平均で63.5%となった。また、「70%以上100%」と答えた人が最も多く、ストレスを感じている人の多くは、その度合いも高いことが分かった。

 ■現在抱えているストレスの原因、7年前の1位、2位が逆転。「仕事に関すること」が1位に

 『ストレスの原因は何だと思いますか』と現在抱えているストレスの原因を質問したところ、「仕事に関すること」(45.6%)が1位に。次いで、「人間関係」(23.0%)があがった。2007年の調査結果では「人間関係」(47.3%)が1位、2位に「仕事に関すること」(28.4%)が続いたが、順位が逆転する結果になった。

 ■ストレスの原因になりやすいこと1位は「職場での人間関係」。「将来への不安」や「収入が少ない」が上位に

 前問では、働く女性が現在抱えているストレスの原因を質問したが、ここでは、働く女性の『ストレスの原因になりやすいこと』について質問。結果、「職場での人間関係」(55.4%)が1位となり、次いで「将来に対する漠然とした不安」(44.8%)や「収入が少ない」(33.8%)があがった。働く女性の常に気にかかる問題として、将来への不安や経済的な不安があり、ストレスの原因になりやすい現状が浮かび上がった。

 ■約8割の働く女性がストレスによる心身への影響を実感

  働く女性に『ストレスの影響が美容・健康・メンタル面・行動、思考に現れたことがありますか』と質問したところ、約8割が心身への影響を実感している結果となった。2007年の調査結果でも、8割以上が影響を感じており、7年前も現在も変わらず、多くの働く女性がストレスによる心身への影響を感じていることが分かった。

 ■ストレスによる影響、「イライラしやすくなる」が1位。「やる気がおきない」「気分が沈む」などメンタル面への影響が上位に

 続いて『ストレスが具体的に美容・健康・メンタル面・行動、思考にどのように現れたか』を質問したところ、「イライラしやすくなる」(68.1%)が1位となり、3位に「やる気がおきない」(48.4%)、「気分が沈む」(48.4%)があがるなど、メンタル面への影響が目立った。2007年に実施した調査では、美容・健康面に現れる影響を中心に質問をし、今回新たにメンタル面の選択肢を追加したが、現代の働く女性は、予想以上にメンタル面において、ストレスの影響を感じていることが分かった。

 ■ストレスは「寝て」解消。「好きなこと」をして「好きなものを食べる」も上位に

 『ストレスに対する対処方法』を質問すると、「睡眠・休息をたっぷりとった」(93人)が1位、次いで「趣味・好きなことに打ち込んだ」(86人)、「好きなものを食べた・お酒を飲んだ」(67人)があがった。また、2007年に1位の「病院など医療機関に行った・薬を服用した」が今回は10位に。『ストレスの原因になりやすいこと』で「将来への漠然とした不安」があがったように、病院へ行くほど深刻な症状ではなくても、漠然とした不安を抱える現代の働く女性たちは、「寝る」ことでそのストレスを解消し、「好きなことをする」、「好きなものを食べる」など、自分の思いのまま好きなことが出来る時間を求めていると言えそうだ。

 ■ストレスがたまり、ついカロリーを気にせず好きなだけ食べ、休日何もせずに寝てしまった・・・

 『ストレスが原因で失敗してしまったこと』を質問すると、今回も2007年も「カロリーを気にせず好きな物を好きなだけ食べてしまった」(48.0%)が1位となった。また、今回新たに選択肢を追加した「休日何もせずにずっと寝ていた」(35.0%)が2位に。『ストレスの解消方法』として「寝る」「好きなものを食べる」が上位にあがったが、“失敗した”と感じるほど「食べ過ぎ」てしまい、「寝すぎ」てしまうことを、多くの働く女性が経験しているようだ。

 ■ストレス解消にかけた最高金額は150万円。7年前より350万円もダウン

 『ストレス解消のためにかけた最高金額』を質問すると、宝石のためにかけた「150万円」が1位となった。2007年の1位「500万円」からは350万円ダウンするなど、全体的にストレス解消にかける金額が下がっている傾向が見られた。

 ■働く女性、平日の睡眠時間は6時間。休日は1時間以上長い7.2時間

 『平日・休日の睡眠時間』について質問すると、平日の夜は平均で6時間、休日は7.2時間となった。さらに、その分布を見てみると、平日は「6時間以上7時間未満」と答えた人が多い一方、休日は「8時間以上」と答えた人が最多となった。

 ■ストレスがある人とない人では睡眠時間に差が

 最初の質問の「ストレスがある人」と「ストレスがない人」で、睡眠時間を比較してみると、「ストレスがある人」の平日の平均睡眠時間は5.9時間、「ストレスがない人」は6.2時間と、「ストレスがある人」の睡眠時間が短いことが分かった。また、最小値を比較してみると、「ストレスがない人」は最低でも4時間は睡眠時間を確保しているのに比べ、「ストレスがある人」は2時間しか寝ていない人もいることが明らかに。一方で、休日の睡眠時間では「ストレスがある人」の平均時間が「ストレスがない人」を上回り、さらに最大では14時間も寝ている人がいるなど、「ストレスがある人」は休日の寝だめ傾向があるとも言えそうだ。

 ■働く女性の半数が睡眠に不満を感じている!睡眠に対する満足でもストレスがある人とない人で差が

 続いて、『自分の睡眠に満足しているか』を質問したところ、約半数の働く女性が睡眠に対し不満を感じていることが分かった。最初の質問の「ストレスがある人」と「ストレスがない人」で、睡眠への満足を比較してみると、「ストレスがある人」は睡眠に不満を感じている人が多く、「ストレスがない人」は睡眠に満足をしている傾向があることが分かった。

 ■睡眠に対する不満、「寝ても疲れが取れない」が1位、睡眠の質に問題か?

 睡眠に対し「やや不満」「不満」と回答した人に『具体的にどのような不満をお待ちですか』と質問すると、「寝ても疲れが取れない」(52.6%)が1位となった。睡眠に不満を持つ半数以上の働く女性は、寝ても寝ても疲れが取れず、睡眠の質に問題があると言えそうだ。年代別で比較してみると、各年代で睡眠に対する不満の内容が変化していることが分かった。20代では「いくら寝ても眠い」が1位となる一方、最も仕事と家庭に追われる世代でもある30代と40代では、「寝ても疲れが取れない」が最多となった。さらに、50代では「夜中に何度も目が覚める」が1位となり、それぞれの年代ならではの睡眠への不満が浮かび上がった。

 ■睡眠不調になるとストレスによる心身への影響と同様の症状が

 『睡眠不足な時に現れる心身や行動・思考への影響』を質問すると、1位は「なかなか疲れが抜けない」(53.6%)、次いで「イライラしやすくなる」(44.4%)があがりました。『ストレスが美容・健康・メンタル面・行動、思考に具体的にどのように現れましたか?』という質問では、1位に「イライラしやすくなる」、次いで「なかなか疲れが抜けない」が続き、ストレスと睡眠不調は、よく似た心身への影響が現れると言えそうだ。

 ■働く女性の半数が睡眠に不満を感じているにも関わらず、その対策は「とくに何もしていない」が圧倒的多数

 『睡眠について行っている対策をお聞かせください』と質問すると、働く女性の半数が睡眠に対して不満を感じているにも関わらず、その対策では「とくに何もしていない」(39.6%)が1位となった。また、最近では効果がないと言われている「寝だめ」(17.0%)が2位に続いた。睡眠に「満足している人」と「不満を持っている人」とで睡眠の対策を比較すると「満足している人」は、「寝る前にゆっくり入浴する」や「日中に運動する」など睡眠に対して対策を行う人も見られた。また、「不満を持っている人」は対策として、「薬を飲む」や「病院へ行く」があがった。ストレスの対処法として「病院へ行く・薬を服用する」は10位だったが、睡眠についての悩みはより深刻で、薬や病院へ頼らざるを得ないのかもしれない。

 ひめのともみクリニック院長で、日本薬科大学漢方薬学科教授の姫野友美氏は、今回の結果について、以下のようにコメントしている。

 ウィメノミクスの後押しによって、女性の登用が積極的になり社会の中で重要なポストを占める割合が増えるのはとてもよいことだと思います。ただこの流れにより、女性のストレスが今以上に増えるのは確実。仕事も家庭もと人生を精力的に生きようとすればするほど、残念ながらストレスを抱え、脳が疲労してしまう確率は上がってしまうのです。脳疲労のいちばんの解消法はなんといっても睡眠。中途覚醒のない深く上質な眠りこそ、ストレスでヒートアップした脳をしっかりと癒してクールダウンしてくれます。

 上質な睡眠をとるためには、ネットを夜遅くまでやらないこと、ぬるめのお風呂につかること、栄養バランスのとれた食事を心がけることなど、生活面でひと工夫できることがたくさんあります。ハーブも香りの癒し効果だけでなく、リラックス成分として活用されているものがありますし、生薬由来の成分の中にもその力が期待されているものが多くあるので、基本の栄養素とともにサプリメントで自分に合った「ぐっすり対策」を心がけるのもおすすめです。ただしあれもこれもと神経質になり過ぎるのはかえって逆効果。ストレスには心と身体のリラックスが何より大切なのです。

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