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【2015春闘】労使それぞれのキーパーソンに聞く
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連合・古賀伸明会長 60年目を迎えた2015年春闘が本格化している。焦点の賃上げは、2%以上のベースアップ(ベア)を求める連合と、昨年を上回る賃上げ率(昨年は約2.2%、うちベアは約0.3%)への期待を表明する経団連で隔たりがある。政労使会議でデフレ脱却の重要な役割を共有した企業の賃上げについて、どういう答えを導き出すのか。労使それぞれのキーパーソンに聞いた。(春闘取材班)
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■所得上げ好循環の起点を
□連合・古賀伸明会長
--今春闘に対する意気込みは
「経営者は、企業の収益が上がったから賃金を上げて好循環を生み出すという発想を転換し、多少の無理があっても、国民所得を上げて好循環の起点を前進させることが必要だ。昨年より厳しい交渉になるが、日本の社会をどうするかという視点で議論に応じてほしい」
--交渉の焦点は
「賃上げと並び労働時間短縮が重要な焦点になる。超少子高齢社会を支えるには性別、年齢に関係なく、仕事を通じて、社会参加する必要がある。ワークライフバランスを確立し、地域コミュニティーにも、働く者が責任を果たす時代が来ている」
--格差是正も重要な論点だ
「アベノミクスで一部の層には光が当たったが、経済格差が開き、貧困率が上がっている。年収200万円以下の層が4分の1に達し、非正規労働者も増える傾向にある。最も懸念しているのが若年層の最初の就職の4割が非正規という実態だ。労働市場だけでなく、社会全体の問題として解決を図らなければならない」
--どうすればいい
「政労使会議で何度も訴えてきたが、最低賃金を上げることが重要だ。また、非正規労働者の均等待遇を法制化し、働く者全てに社会保険を適用する。能力開発や職業訓練のシステムを整備する。国が主導し、これらを組み合わせて対策を講じなければならない」
--地方への賃上げの広がりは
「地方創生は簡単ではないが、日本のGDP(国内総生産)の7~8割を地方経済が占めている。(地方企業の賃上げも)『厳しい』とばかりいわないでやるべきだ」
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■ベア一律2%以上は困難
□経団連・宮原耕治副会長
--経済界としての一歩踏み込んだ対応とは
「デフレ脱却の道筋をしっかりとしたものにするために、企業が主体的に牽引(けんいん)しなければならない。収益が上がった企業に、より積極的な賃上げを呼びかける一方、ベアも選択肢の一つとの考えを明確に示した」
--連合は月例賃金の引き上げを要求している
「違和感はないが、一律2%以上は大変難しい。月例給が増えても、社会保険料などの個人負担も増えていて、手元には(増額分の)4割程度しか残らず、消費に還元しにくい。賃金は多様化しているうえ、お金がかかる年齢層の賃金を厚くするなどの工夫もできるため、年収ベースで話し合うべきだ」
--業績が上がった企業以外は
「中小企業の中でも、人材流出を避けるため、防衛的に給与を上げる動きがすでに起きている。経団連として『無理してでも賃上げを』とは呼びかけられない。ただ、昨年以上にベア実施企業が増え、賃上げ率が高まることを願っている」
--労働時間短縮に対する考え方は
「残業撲滅へ罰金制度や朝残業などさまざまな取り組みが進んでいるが、年休の取得が50%に達していないのが課題。休んだ人を補完する体制の確保などを進めていけば、産休や介護休暇もどんどん増える」
--非正規労働者の待遇改善について
「自分の意思で選択していない非正規労働者の待遇改善が重要で、職種や労働時間、勤務地を特定した限定型正社員を増やそうと呼びかけている。人手不足で賃金も着実に上がっているが、それだけに頼っていいとは思っていない」