“稼ぐ大学”近大の改革力と広報力 偏差値以外の新しい価値観づくり
更新とはいえ20年以上前には新学部や新キャンパス、新病院の開設などの投資が続いたため約600億円の借入金を抱えていた。このため近大は財務改革に着手。新規投資を抑制し、会計単位をキャンパスごとに分けて収支と支出を細かく管理したという。すると、経営する総合病院からの収入もあって10年間で実質的に無借金経営に転換し、26年3月末までに約880億円を積み立てるまでになった。超近大プロジェクトに投じる約400億円の資金も、この積立金から工面するため銀行の融資などに頼る必要はないのだという。
稼ぐ大学については「教育機関が金儲けするなんて…」という批判を受けることが多いというが、実学教育を建学の精神に掲げる近大では初代総長の世耕弘一氏が「研究・教育で収益を上げて何が悪い」と言い放った逸話が残る。
近大水産研究所で育てた養殖魚を市場で販売していたことがアカデミズムに反すると批判されたときの反論の言葉だが、養殖魚の販売で稼いだ資金を養殖技術の研究費に回し、資金難のなかでクロマグロの完全養殖の技術を30年以上かけて成功させたという実績がある。

