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昔はもっとひどかった 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない歴史的な背景

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昔はもっとひどかった 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない歴史的な背景

配信元:ITmedia ビジネスオンライン 更新

 そのような話を聞くと、不思議に思うのはなぜここまで日本社会に「時差通勤」というものが定着をしないかという問題ではないだろうか。

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 よく指摘されるのは、日本は都市部に機能が集中していることに加えて、「横並び」の意識が特に強いことから、同僚や取引先のことを考えて有給休暇を消化できないように結局、「定時出勤」をしてしまうというものだ。

 要するに、「マジメ」だというのだ。

 そうそう、なんせ日本人は世界一勤勉だからな、という愛国心溢れる方たちから賛同する声が聞こえてきそうだが、個人的にはそれはちょっと違うのではないかと思っている。

 近代史の専門家など一部の方たちがよく指摘しているのでご存じの方も多いかもしれないが、明治までの日本人は勤勉とはかけ離れていた。もちろん、マジメな日本人もたくさんいたが、当時、日本にやってきた外国人たちが、酒飲みでだらしない怠け者の日本人の姿をたくさん記録している。

 そういうアバウトな国民がガラッと変わったのが、明治以降の「富国強兵」という国策である。西洋列強に追いつくには、愚痴をこぼさずシャキシャキ働く従順な国民が必要だった。そこで、「勤勉」こそが美しく、日本人のあるべき姿であるという国民教育が施されたのである。

 とはいえ、もともとはアバウトな国民だったので、明治・大正になってもわりといい加減な人も多かった。とにかく雨が降ろうと槍が降ろうと、会社に行きますみたいな感じではなく、わりとよく約束も破った。

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