昔はもっとひどかった 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない歴史的な背景
配信元:ITmedia ビジネスオンライン 更新それは一言で言ってしまうと、我々が70年前に刷り込まれた「産業戦士」の呪縛からいまだ解き放たれていない、ということだ。
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軍隊のように組織に「絶対服従」することこそが企業人なので、個人の裁量で出勤などできるわけがない。「働き方」は自分で決めるのではなく、組織や「上」が決めるのだ。本気で「時差通勤」を普及させようと思うのなら、まずはこの「常識」を破壊すべきである。
「時差ビズ」普及のため、これから小池さんのメディア露出が増えてくる。そこで提案だが、禁煙CMのように、こう呼びかけてはどうだろう。
「スマホもパソコンも普及して、ネットを介してどこでも打ち合わせや商談ができるのに、毎朝決まった時間に会社に行く。そんなあなたは、もしかしたらかなり重い病にかかっているかもしれません」
定時に会社に到着することが「働く」ということではない。この常識が広まらないことには、どんな改革を訴えたところで、「通勤地獄」は決してなくならないのではないか。
◆窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段--検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。



