「いつまでも若々しく」を求めない
正直、仕事というものは苦行である。皆、生きなくてはいけないから仕方なくやっている側面が強い。就活生が希望に満ちた目で「若い力で日本を変えるようなサービスを生み出したいです!」なんてやっているが、彼らのこれからの苦労を考えると、彼らの22年先にいる今の自分の状態はありがたいとさえ思う。もっと言うと、現在無事に68歳で悠々自適の暮らしをしている人が羨ましい。
もう、これまでの21年のような時間は過ごしたくない。働き過ぎて会社の床で寝る日々や、イベント当日に寝過ごしてしまい先輩から長らく無視されるような日々を送るのは御免である。他にも、意に沿わぬ報道をしたため芸能事務所に軟禁されたこと、誤報をしてしまい頭を丸刈りにして謝罪に行ったこと、名誉毀損で裁判を起こされたことなど、さまざまなミスをしてきた。
いずれも35歳よりも前の話だが、そうした経験を重ねたことで、ここ9年ほどはリスク回避がある程度できるようになった。40代なかばになってようやく、安心して生きていけるようになったともいえる。
そう考えると「老い・衰え」と「経験の蓄積による仕事のやりやすさ」はトレードオフになる概念であり、「いつもハツラツ!」「今日もハッスルハッスル!」といった、みなぎるような若々しさまで維持しようとするのは、欲張り過ぎに思えてならない。
まあ、我々オッサン・オバサンどうし、老いを素直に認めようではないか。
【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
■人は誰しも老いて、衰える。それにあらがって、若々しさを追い求めてもツライだけだ。
■老い・衰えを感じる年齢になったら、それまでに蓄積してきた「経験」を武器にしよう。
中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。
(ネットニュース編集者/PRプランナー 中川 淳一郎 写真=iStock.com)