パパ編集部員の育休エブリデイ

(4)コミュニティーの育児支援サービスを活用 人々の温かさも実感

SankeiBiz編集部

 突然、私の娘のことを知っているママさんから「○○ちゃんのお父さんですか?」と話しかけられることも何度かあった。妻のLINEに「きょう、○○ちゃんと遊ぶ旦那さんを見かけたよ!」とママ友からメッセージが来ることもあった。どこで誰が見ているか分からないから、「こりゃ悪いことはできないな!」と本気で思ったものだ。

 有意義な情報交換

 そういえば、娘と2人で街中を歩いているときに、おばあさんから声を掛けられたこともあった。「昔の男性は育児なんてしなかったのよ。子育ては全部、私たち女性がやるものだったの。時代は変わったのね。危ないから子供から目を離さないでね」-。まあ、これは極端な意見だと思うし、いつの時代も育児に積極的な男性はいるだろうが、おそらくこの老女が育児をしていた時代に父と娘が散歩する姿は、稀な光景だったのかもしれない。この女性とはしばらく立ち話をしたのだが、世代の違う方から子育てについて意見をもらえるのは大変貴重な経験だった。

 こんな出来事もあった。近所のとある公園で、近くの住人が「子供の声がうるさい! 通報するぞ」とスマートフォンで動画を撮影しながら保護者を威嚇するケースが何度か発生した。私も知り合いから、「付近をパトロール中の警察官が『あそこのアパートに住んでいる男性には十分気を付けるように』と保護者らに注意喚起していた」との話を聞いた。もちろん私や妻も、その公園をよく利用する友人たちにそのことを伝えた。コミュニティーでのつながりは保安・護身のため、とくに子供や女性など弱者を守るためにも、こういった情報交換は非常に有効だと感じた。

 情報収集のために、市報の「子育て」「教育」「コミュニティー」面などにもよく目を通した。誰でも参加できる子供向けのイベントなど、けっこう楽しそうな行事を市内各地でやっているからだ。私も妻に薦められて、近所のコミュニティーセンターで現役ママさんたちがボランティアで開催していた親子で遊べるイベントに参加した。100人ほどの集会で、男性はなんと私1人。会場の部屋に入った瞬間に少し空気が変わったのを、今でも鮮明に覚えている。

 お遊戯の時間が始まり、司会進行役のママさんたちが振り付けをしながら「♪ら・ら・ら、ぞうきん~」と歌い始めた。「なんだこの歌? 練習もしないでいきなり歌われても誰も分からないんじゃないの?」などと油断していたら、私と娘以外のほぼ全員が、寸分たがわない完璧な振り付けで歌い始めたのには正直びっくりした。

 医療機関やシルバー人材センターも活用

 近所の医療機関にもお世話になった。子供が小さいと、ちょっとしたことで不安になるものだ。妻が通っていたレディースクリニックの助産師さんは、プライベートでわざわざ家まで妻の様子を見に来てくれた。掛かりつけの歯医者では幼児の口内環境の整え方や、子供が嫌がらない正しいブラッシングのやり方、定期的な口内チェックをしてもらうなど、常に気にかけてもらった。いつも大人が診てもらうついでに、娘の診察もしてくれたのだ。こうした親切がとてもありがたかった。また、子供が休日や夜間に急な病気になったときは、迷わず小児救急相談を利用した。ダイヤル「#8000」に架けると、看護師からアドバイスをもらえるのだ。

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