もし、日々の育児や家事が忙しすぎてパンクしそうなときは、地域のシルバー人材センターを活用することをお勧めしたい。うちは週2日で「家事援助サービス」を利用し、主に料理や部屋の掃除をお願いした。人手不足が解消されるだけでなく、娘が我が家を担当してくれた方になついたこともあって一緒に遊んでもらうなど、家族全員にとってたくさんのメリットがあった。経験豊富で労働意欲の高いシニアが来てくれるので、料理は手際がよくて美味しく、子供と遊ぶことにも慣れているのだ。価格設定も良心的で、うちの場合は月1万円ちょっとで済んだ。この人には現在も週1回でお願いしており、管理栄養士のスキルを活かしてヘルシーなご飯を作ってくれるので非常に助かっている。シルバー人材センターは全国で事業展開しているので、もし興味があれば「全国シルバー人材センター事業協会」に問い合わせてみてほしい。
私の家族にとって最も身近なコミュニティーは、同じマンションに住む妻の友人たちだった。医療関係に従事する家族は存在自体が非常に心強いのだが、産前には妻を積極的に遊びに誘ってくれたり、産後も様子を見に来てくれた。同じ階に住む別の家族も、産後の妻と家族のためにご飯を作って持ってきてくれたりした。私のことも気にかけてもらい、外で見かけたときは声をかけてもらうなど、その気持ちがありがたかった。その後もマンション内の知り合いたちで子供向けにハロウィーンのイベントを開くなど、気の合う住人たちと作るコミュニティーは、育児や家事に追われる家族にとってオアシスのように癒しをくれる存在だった。
育休を経験するまでそれほど地域社会を意識したことはなかったが、そこには社会の縮図のように、私の生活圏にもしっかりと整備されたコミュニティーが存在しており、各々のニーズに合った制度や施設がちゃんとあるのだ。そして、人々は支え合いながら生活しているという事実を、これら経験を通して強く実感したのだった。
次回は、育休を通して感じた「自分自身と家族の変化と成長」をテーマに書く予定なので、お楽しみに。
◇
この連載は原則として、隔週の更新を予定しています。【パパ編集部員の育休エブリデイ】のアーカイブはこちらから。