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銀行が狙うあなたの退職金 ファンドラップとセット販売の甘い罠

高橋成壽
高橋成壽

 ちなみに、某銀行のファンドラップは、販売手数料は0円なので、初期費用は0円で済む。投資期間中は金融機関側に支払う信託報酬と投資顧問報酬が発生し、両方合わせると1.5%程度となっている。そのため、ファンドラップの運用成果が1.5%以上見込まれないと、投資の成果が出ない。

 一方で、銀行(ファンドラップの運用側)には、投資に失敗しても残高に対して1.5%の報酬が継続して入ってくる。投資に成功すると成果報酬が上乗せされるので、どちらにせよ儲かる仕組みができている。

 ファンドラップの投資先である複数の投資信託に関しても、所定の信託報酬が発生するため、消費者の見えずらいところで二重に信託報酬が差し引かれたり、信託報酬の割高な投資信託にお金が投じられても、消費者には容易に分からない点も問題だろう。ファンドラップの販売側が悪意を持てば、投資するファンドはすべて自社系列にすることも可能だ。その場合、消費者の利益より自社の利益を優先するような投資スタイルになる懸念がある。

 この某銀行の場合、投資時点での費用が発生しないため、円定期の金利だけ受け取ることができそうだと思う人多いだろう。ファンドラップは最低投資期間が3カ月あり、運用報酬は3カ月分として0.375%控除される。これだけだと、「円定期金利1.4%>運用報酬0.375%」となるため、お得だと思うかもしれない。しかし、3カ月後の運用結果がマイナスであれば、「もう少し様子を見ましょう」と銀行側は投資の継続を勧めるだろうし、市場価格が大幅に下落すれば「塩漬け」になるだろう。塩漬けとは、投資用語で、処分(売却)できずにしばらく放置することになると言った意味合いがある。価格が上昇しプラスになったとしても、そのまま継続投資を推奨できるため、どちらに転んでも消費者は投資を続ける可能性が高い。

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