ヘルスケア
画期的インフル薬「ゾフルーザ」の誤算 変異ウイルスで意見分かれる
4日から6日にかけ、名古屋国際会議場(名古屋市)で同学会の総会が行われ、ゾフルーザをテーマにした緊急セミナーも開かれた。登壇した「けいゆう病院」(横浜市)の菅谷憲夫医師も「重症患者や他の薬剤に耐性のあるウイルスの流行時には有効だが、軽症の外来患者に単独で使うべきではない」とした。
発売前に塩野義が行った小児を対象にした治験(臨床試験)結果を問題視するからだ。国内の12歳未満の小児77人のゾフルーザ投与前後の塩基配列解析を行ったところ、投与後に18人から変異ウイルスが出現、確率は23.4%だった。インフル治療薬を投与された患者には一定割合で変異ウイルスが現れるとされるが、「タミフルなど他の薬と比べても非常に高い数値」(菅谷医師)という。
セミナーでは、国立感染症研究所が公表した、ゾフルーザ未投与にもかかわらず変異ウイルスが見つかった3事例について取り上げられた。「兄弟間で人から人への感染が疑われる」という報告もあった。
「驚くべき内容だ」。三鴨教授はこうもらし、「ゾフルーザは確かに抗ウイルス力に優れているが、想定以上に使われすぎた」と指摘した。これには前例がある。米国で1967年に発売されたインフル治療薬「アマンタジン」の耐性株が、2005年以降に世界中で流行。現在は一般的に抗インフル薬として推奨されていない。耐性株の拡大は使用量との関連を指摘する声もあり、三鴨教授は「ゾフルーザの変異株が高い確率で出た以上、使用制限について考えるのは当然」と強調する。