三菱が力を入れている「ek X」(イーケークロス)をながめていて改めてそう思った。デリカD5に初対面した時のように、たじろぐ事はなかった。むしろ、惹き寄せられる。
万人受けは狙わない
「多くのお客様が、このデザインが好きだとおっしゃって購入いただいているようです」
三菱の担当者もそう言って誇らしそうだった。
ベースは日産との共同開発である。「日産デイズ」とは二卵性双生児の関係になる。パワートレーンやプラットフォームや、数々の安全装備にも違いはない。つまり、デイズか「ek X」で購入に頭を悩ませたときの判断材料はデザインだけなのである。とすると、この刺激的なデザインは◎だ。月に2万台も3万台も売ろうというのなら、万人受けするデザインもありだったかも知れないが、今の三菱が狙うのはそこではない。三菱信仰者の琴線に響く、きんぴかの仏像のような象徴である必要がある。だから正解なのである。
そう思って、改めて眺めると、正面から見た「X」文字は、まさに「ek X」の「X」である。デリカD5でセンセーショナルデビューした「ダイナミックシールド」顏はむしろ「ek X」のために筆を振るったかのようだ。