ステアリングに機能を集約
足元にあるのは、アクセルペダルとブレーキペダルだけだ。アクセル操作は右足でこなし、ブレーキ操作は左足である。
スタート手順がちょっとややこしい。左右両方のクラッチパドルを握る。おなじくステアリングの裏側の、クラッチパドルのちょっと上の、中指が触れる辺りにあるシフトチェンジ用のパドルを引くとギアが1速に入る。その後、左薬指のクラッチパドルをリリース、さらに右薬指のクラッチパドルを徐々に開放していく。するとマシンはスルスルと動き出すという仕組みだ。管弦楽の奏者が、バルブを器用に操るような操作が求められるというわけだ。
空気抵抗を減らし、サスペンション機能を優先するフォーミュラーマシンはボディの先端が尖っており、足元にクラッチペダルを設置するスペースがない。それが、ステアリングに機能のほとんどを集約する理由である。
ちなみに、過去に2度の日本一に輝いている石浦宏明選手はこう言って、指先クラッチの有効性を説いた。
「(停止状態から合図により一斉スタートする)スタンディングスタートでライバルから先行する必要性があります。そのためには、微妙なクラッチ操作が欠かせません。感覚の鈍い足よりも、感覚が繊細な手の指の方が適しているのかもしれませんね」