一度選考委員になれば安定…ではない
実行委員が入れ替わることも少なくない。媒体として機能していなければ勿論、日本カー・オブ・ザ・イヤーの基本精神に賛同しているかも資格に影響する。
選考委員の選出も毎年繰り返させる。一度選考委員になれば安定などではなく、日々自動車に関して見識を深めていないと振り落とさせることもある立場なのだ。
配点も公表される。最終選考会のステージでは、選考委員一人ひとりの名前と配点が発表される。責任の所在が明らかになる。もっとも高く評価したモデルへの配点理由も公表される。軽い気持ちで配点することなど許されない。アワードとしての権威は、そこでも保たれるのである。
実は、ノミネートモデルにも厳しい基準がある。前年の11月1日から当年の10月31日までに国内で発表または発売された乗用車であることを前提に、継続的に、年間500台以上の販売が見込まれることが条件だ。
選考委員に、十分に試乗する機会が与えられていることも条件である。つまり、超少数の限定車は対象になれない。選考する側も、乗らずには評価できない。というように、日本カー・オブ・ザ・イヤーはもっとも権威のあるアワードなのである。
【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】はこちらからどうぞ。