クルマ三昧

トヨタGR関係者の鼻息が荒いワケ 販売店の“面倒”を解消する「型式認定」

木下隆之
木下隆之

 自動車税などにも影響

 一方、製造者が型式認定を受けないと、「C-HR GRスポーツ」や「ダイハツ・コペンGRスポーツ」は改造車と見なされ、車両ナンバー取得の際には運輸支局に、一台一台クルマを持ち込まなければならない。燃費等も実測するために、場合によっては環境基準レベルが変わることも考えられる。自動車税などにも影響するわけだ。

 そう、型式認定と持ち込み登録には、ユーザーにはまったく影響しないが、販売店の担当者にとっては大きな違いがある。つまり、お客様に対しては無関係なことであるからこそ、これまで語られてこなかったわけである。

 実はこれ、そのコストが密かに値引きやサービスに影響され、間接的に被っている可能性は否定できない。型式認定のメリットは販売店のコストにある。そしてそれは同時に、製造元、つまりトヨタやダイハツにも悪影響を残す。

 販売店の担当者は、「C-HR GRスポーツ」を一台売るよりも、ノーマルのC-HRを売ったほうが、持ち込み登録をしない分だけ労力に優しい。だったら、ノーマルをセールスしたくなるのは人の性だろう。

 というようなデメリットを解消する可能性が、型式認定取得には隠されているのである。我々には大勢の変化はないが、改造車として一括りにされてきたGRポーツが、晴れて公的に認定されたことはちょっと誇らしい。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。

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