新幹線のグランクラス級の快適性
電動パワーシートであり、腿を支えるオットマンも完備。温熱機能もあり、格納テーブルもある。天井にはバニティミラーが組み込まれている。3列目でありながら新幹線のグランクラス級の快適性なのだ。
さらには、4列シート仕様も準備されている。流石に4列目まで“エグゼクティブシート”とはならないが、それでもスペースには余裕がある。お客様を含めて8名での移動も可能なのだ。4列目シートを畳めば、6名のVIPとVIP6名分の旅行ケースが積み込めるサイズなのである。
つまり、グランエースの狙いはすばり、東京五輪のために訪れる富裕層の送迎用である。五輪の最高位オフィシャルパートナー契約をしたトヨタは、東京五輪に向けて数々の施策を打出している。水素燃料自動車「ミライ」の普及にも急いでいる一方で、富裕層の羽田空港から都内の高級ホテルまでの送迎車としてグランエースを開発したと考えるのが自然である。
海外にはメルセデス・ベンツのVクラスに代表される大型高級ミニバンがある。それがない日本のために開発されたのがグランエースだと思えるのだ。羽田空港の景色が変わるのだろうと予測したのは、そんな理由なのである。黒塗りのグランエースが送迎車の列にズラリと並ぶ様子が、今からありありと想像できる。
【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】はこちらからどうぞ。