ガリンベルティは、この不安定さは、オフィスに行かずに自宅にいる親の姿にも表れる、と語る。毎朝、決まった時刻に出かける習慣が、突如としてなくなり、落ち着かなくなる。そこで、それまでの習慣自体を見直す機会として考えるよう勧める。
即ち、人間とは何かを分かったつもりであった自分を見つめ直せ、ということだ。
実は動画の冒頭は、「不安」と「恐怖」の違いについて説明している。漠然とした不安も、その不安の要因を確定することで「恐怖」になる。
合理的な状況判断により、不安を脱することができる、というわけだ。恐怖心をもつのは、それ自体積極的に喜んで受け入れられるわけでもないが、対象が明確であるがゆえに自分をコントロールすることができる。他の表現を使えば、パニックを回避できる。
このコントロールを自分の身に都合の良いように行うと、原因となりそうな対象に攻撃をかけるとの傾向が生じることがある。
例えば、現在の欧州の状況でいえば、イタリア以外の欧州人はイタリア人や北イタリアという地域を攻撃対象とする(アジア人が対象になるニュースもあるが)。
なぜならば北イタリアの感染が他国に比べて先行し、かつ欧州各国での感染は「イタリア人がウイルスを持ち込んだ」「北イタリアに行ってウイルスを持ち帰った」と報告されるケースが多いからだ。
ぼくは、これらの他国のケースにイタリアが絡んでいるとの報告を、すべて全うに受けて良いかどうか分からないが、少なくてもそれらの国の人たちが「イタリア人とのコミュニケーションを遠ざければ、私たちは安全であるはずだ」と思う動機を提供しているのは確実だ。