次の論理展開をみれば、マンズィーニがいかに現実的ロジックを語っているのかが分かる。
“自分の内からはじまり、私たちのいる場所からはじまるという考え方は、いかんともしがたい欧州文化に根強い人間中心主義の表現ではない。逆だ。人間の限界を心底認めているのである。何を考えやろうとも、自分たちの居場所からしか私たちは考えざるをえないのだし、動かざるをえない。
この見方や世界での行動とは、私からすれば「ハイパーローカル」である。この文脈では接頭語「ハイパー(hyper)」は、2つの意味をもっている。1つはあきらかにローカルどっぷりの何かであるとの意味の「どっぷり」だ。もう1つは、かつて経験したことのない「境界の少ないローカル」とでも表現すべきものだ。私たちは遠隔から事情を掴みながら動けるという意味で「境界が少ない」が、私たちが立っているところからだけという意味で「ローカル」である。
ライフプロジェクトの性質と政治的感覚を議論するために、本書では日々の暮らしを起点とする、このローカルの見方を前提とする。この考察のために、私たちが認識しなければいけないことがある。それは世界の複雑性であり、私たちが考えることの相対性である。世界の複雑性を泳ぎ切ろうと努め、それがもつ限界を含めて受け入れることだ。“