現在、とても壮大な物語の渦中にいると語られることが多い。普段では使わない言葉で、それを表現しようとする。しかしながら実態は、地球サイズで自然をたまたま描写せざるを得なくなったことに気がついただけではないか。
自分たちが見るのが億劫だったから「忘れたことにしておいた」ことが、そうではないことをいや応なしに認めるしかなくなった。そのために質の悪いレトリックが使われやすい。
したがって、今、ぼくが気をつけるべき1つは、次のことだ。
いかに浮足立ったことを書かないか、である。混沌とした状況に自己陶酔した文章を書かないことだ。それを強く支えてくれるのが、実はマンズィーニの言葉である、というわけだ。
こういう時こそ、焦って大きな物語に飛びついてはいけないと肝に銘じる。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。