教育・子育て

オンライン授業は現状では無理…悩む学校、教育格差に不安の声

 現在行っているのは、1週間ごとにプリントを配布、回収して採点する家庭学習。間違いの多かった問題について教員が解説動画を独自に配信し、必要に応じて個別に電話での指導も行っている。

 同校では休校前の始業式で教科書を配布できたため、家庭学習による新年度の予習も進めている。理科や社会では、教科書の内容についてインターネットなどを使って調べる課題を、国語ではドリルを使った漢字学習などを課しているが、教頭は「算数を教科書だけで理解させるのは難しく、ほぼ前年度の復習しかできない状態」と話す。

 できることを

 公立学校の教育現場に詳しい溝上慎一・桐蔭学園理事長(教育学)は「遠隔授業を行える環境があるかどうかの格差は、議論しても仕方がない。各学校ができることをやれているかを考えるべきだ」と話す。

 学習プリントの配布という同じ方法でも「課題へのフォローの仕方などに校長のリーダーシップ、組織マネジメントによる格差が生じている」と指摘。「仮に校長の指示がないなら、教員がボトムアップで実現すればいい」と訴える。また遠隔授業が実施できたとしても、「子供は慣れればだれてくる。学びへの意欲を持続させる工夫が必要だ」と主張する。

 さらに、溝上さんはどのような指導方法であっても「大切なのは心のつながりだ」という。「学習が苦手な子供ほど、教員との関係がなければ学べない。クラス替えで関係が築けないまま休校になったが、オンラインや電話で直接連絡し、つながりを深めることが重要だ」と話している。

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