「ミライ」開発責任者の思いとは…
新型ミライは先代と比較して大柄なボディを得ている。結果的にトヨタブランド最大であり、「センチュリー」を例外とすれば、フラッグシップの位置付けである。それに関して開発責任者を務めた田中義和氏は、こう説明する。
「燃料電池車だからミライに乗るのではなく、『いい車』だと思って乗ったら燃料電池車だった。そう言われるクルマにしたかったのです」
なるほど、ルックスも気を衒(てら)ってはいないし、インテリアも高級感に溢(あふ)れている。水素タンクとバッテリーの位置関係から、後席の空間はやや犠牲になってはいるものの、自然な運転フィールである。というより、高級感が際立っている。これがハイブリッド車として発売されていれば、爆発的に売れたはず…と思ってしまったほどである。まさに田中氏の狙い通りである。
そんなだから、普通に乗り込んで、普通にイグニッションボタンを押し、いつものようにセレクトレバーを「D」(ドライブ)に合わせれば、スルスルといつものように発進する。
というよりむしろ、車重が決して軽くないことも武器となり、独特の重量感がある。高速道路での地に吸い付くような安定感は絶品であり、高級セダンの名に恥じない。
ちなみに、価格は710万円からというから先代よりも低価格なのだ。エコカー減税、環境性能割、グリーン化特例、CEV(クリーンエネルギー自動車)補助金を合計すると、約140万円が優遇される。一番にFCVを浸透させたい…。それが極めて現実的になってきた。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。