渋滞も苦にならないハンズフリー走行
BMWのハンズフリーは、時速60キロ以下という条件付きだが、極めて現実的な社会で活用が可能だ。高速道路限定ではあるものの、ストップ&ゴーを繰り返すような渋滞ではとても都合がいい。ドライバーはステアリングから手を離したままでいい。
速度を設定しておけば、その速度の範囲で前車に等間隔で追従する。前車が停止すれば自車も停止し、前車が発進すれば自然な感覚で自車も発進する。もちろん車線を認識しているから、レーンを逸脱することもない。
感心するのは、装置の設定が簡略化されていることだ。ドライビングのアシストスイッチに触れるだけで、瞬時にハンズフリーに移行可能なことだ。しかも、車間距離を厳格に守ろうとはせず、つまり、人が自然にそうするように、前車との速度調整を穏やかに、多少ルーズに作動するのである。前車が急激に発進したからといって急加速しようとはしない。減速の感覚も穏やか。極めて厳格に管理された不感帯が盛り込まれているのである。
これなら渋滞も苦痛ではない。それが証拠に、流れの悪い高速道路を走行中、時速60キロ以下の渋滞にならないものかと期待したほどである。もうすぐそこに、自動運転が迫っている。
【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】はこちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。