クルマ三昧

人間の感覚に訴えかける“情報提供音” 革新的な新型「ノート」のサウンド開発

木下隆之
木下隆之

 自動運転で変化していくクルマの「声」

 日産がノートで取り組んだ新しい情報提供音はまず、情報の重要度や緊急度で区分けしている。ピッチやテンポを変えることで人間の感覚に訴えかけるのだ。

 ピッチを早めると警告度が高くなる。やや抑えれば注意喚起となる。ウインカー音やリバース音は、ローピッチで伝えるのだ。障害物に衝突しそうな時には、速いピッチでハイテンポの方が伝わりやすい、と言った具合である。

 と、そこまでは想像の通りである。衝突の瞬間にのんびりとしたテンポであっては伝わらない。いまさらの感がある。だが新型ノートでは、音を2軸で分析。丸く柔らかい音、軽やかな音、重厚な音、尖った音、それぞれにアジャストしたのである。

 ここでそれぞれの音をお聞きいただけないのが残念だが、実際に新型ノートをドライブしてみると、情報提供音が効果的なことがわかる。ダッシュボードにはそのためのスピーカーも組み込まれているから、より一層サウンドを意識することができた。

 自動運転の時代がすぐそこに迫ってきており、時代はEV化に向けて突き進んでいる。これからはもっとクルマの「声」が重要になる。エンジンが奏でるエキゾーストノート(排気音)やギアが軋(きし)む唸り音がクルマの「声」だった時代は過ぎ去ろうとしている。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。

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