新時代のマネー戦略

FRBのテーパリングで金投資に警戒感 不安局面での「金の買い方」

小松英二
小松英二

 問題はその後、2013年5月に当時のバーナンキFRB議長が、今後、幾度かの金融政策決定会合を経て、金融緩和の段階的縮小(テーパリング)に着手する可能性があることを示唆する発言をしたところ、新興国の通貨や株式などからマネーが流出するなど、市場に大きな動揺をもたらしました(バーナンキ・ショックと呼ばれます)。過剰反応は金価格にも及び、NY金は年間ベースで2割以上も下落しました。

 過去のトラウマから、FRBは今回、市場の反応などに細心の注意を払いながら、テーパリングに向けた準備を慎重に進めています。

短期には慎重に、金投資は長期にじっくり分散投資

 さて、この先、金価格はどうなるのか? 長期には、①中央銀行による金購入や、②過剰な金融緩和によるドルの信認低下は金価格の上昇トレンドをサポートしていると思います。一方、③金急落の引き金となる可能性のあるテーパリング開始に向けて、警戒も必要でしょう。

 この先1年ぐらいの金投資のスタンスを考えると「短期には慎重に。5年、10年といった長期ではじっくり分散投資」ではないでしょうか。

▼戦略1

 新規投資は当面見合わせて、仮に大きく下落すれば安値圏を見極めて、ある程度まとまったロットを購入していくことが考えられます。株投資で紹介される「押し目買い」といった手法です。

▼戦略2

 それからもう一つ! 金投資には先述の「金地金の購入」のほか「金ETF(上場投資信託)」といった方法がありますが、この不安定な局面において投資するなら、金の値動きを気にしなくてよい「純金積立」に徹する戦略もあります。

 純金積立なら、毎月一定金額を積み立てて(最低1,000円から積立できる)、毎日一定金額の金を買い付けることができます。購入タイミングを小刻みに分けた「時間分散」により、短期的なトレンド変化の影響を抑えることができるのです。それに、定量ではなく定額なので、金価格が安いときには多く、高いときには少なく購入できます。

 金投資も含めて市場全体の先行き判断がとても難しい局面を迎えます。金投資を考える際の参考としてみてください。

小松英二(こまつ・えいじ)
小松英二(こまつ・えいじ) ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
経済アナリスト
FP事務所「ゴールデンエイジ総研」代表。1981年大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関の金融取引、基幹金融システム・日銀ネットの開発などに携わる。その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務を展開。生活者向けセミナー、企業・金融機関の社内研修、FP資格の合格対策講座などの講師も務める。

【新時代のマネー戦略】は、FPなどのお金プロが、変化の激しい時代の家計防衛術や資産形成を提案する連載コラムです。毎月第2・第4金曜日に掲載します。アーカイブはこちら

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