SankeiBiz for mobile

目を覆う野党の瓦解

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの政治

目を覆う野党の瓦解

更新

 【安倍政権考】

 民主党内にくすぶる代表選実施論という名の「海江田(万里代表)降ろし」、みんなの党の渡辺喜美代表による江田憲司幹事長更迭…。野党の混乱劇で、安倍晋三首相の政権基盤は確実に強まっていくに違いない。みんなの党の場合、野党再編に積極的な江田氏が幹事長から外れたことで、再編に慎重な渡辺氏の“独裁色”が強まるのは必至。再編の行方はより不透明さを増し、非自民の「受け皿」作りは遅々として進まない可能性が高い。

 「待ち」貫く海江田氏

 まずはそれぞれの体たらくを振り返ってみたい。

 7月26日に開いた民主党両院議員総会では「代表選こそ最大の総括」「新しいリーダーが立ち上がらないといけない」などと海江田代表にとって厳しい意見が続出。連日開いた都道府県連の声を聞くブロックごとの幹事長・選挙責任者会議でも代表選実施論が相次いだ。

 党内から「海江田さんは危機感が足りない」との批判が公然と漏れ、ネアカの海江田氏も最近では「さすがにこたえる」と周囲に語る。それでも辞任する気はなく、その粘り腰はあっぱれとしか言いようがない。ただ、それが「海江田降ろし」を強めさせる要因にもなり、挙党態勢を構築するどころではない。

 その海江田氏が狙っているのは何か。それは日本(にっぽん)維新の会やみんなの党が自壊するのを待つことにほかならない。政権を失ったとはいえ衆参で野党第1党。国政選挙も当面ないとの見方が強い。ならば再編を焦ることはない-。海江田氏の心境はそんなところだろう。

 根深いみんなの対立

 海江田氏の「待ち」の姿勢を援護射撃するかのように、みんなの党にはさっそく瓦解(がかい)の兆しが見え始めた。今月(8月)7日の両院議員総会。それは目を覆わんばかりの見苦しいものだった。江田氏は自らが取り組む資金面などの党改革に触れ、こう言い放った。

 「解任される以上、しっかり記者会見をして真意を説明する。税金の無駄遣いの解消を訴えてきたわが党が、これまで政党助成金の使い途が誰も分からない!どうやってるのか分かりますか?」

 他の出席者からは「解任されたら記者会見で言ってやるぞという態度はおかしい」「脅迫にしか聞こえない」と怒号が飛び交い、渡辺氏は怒りを爆発させた。

 「幹事長から政治資金について不正があったかのような発言が出た。こういうイメージを与えることはまかりならん!どれだけ資金繰りに苦労したか…」

 そして、最後にこう絶叫した。

 「私はこの人事に命をかけている!」。江田氏は産経新聞の取材に「参院選では候補者の擁立が党内の手続き通りに行われないケースがいくつかあった」とも語っている。これも渡辺氏に向けられた発言だ。根深すぎる両者の対立。2人は野党再編のスタンスも異なる。渡辺氏は日本維新の会の橋下(はしもと)徹共同代表と険悪な関係ということもあり慎重だ。これに対し江田氏は筋金入りの再編論者。

 新幹事長に渡辺氏に近い浅尾慶一郎氏が就任したことで、党執行部は再編に対しますます慎重になる可能性が高い。加えて橋下氏は参院選の惨敗を受けて、「大阪都構想」実現に専念する考えを示しており、再編に向けた下地作りは国会議員団に任せている。つまり橋下氏は当面、再編から一歩身を引こうとしている。

 今後、江田氏と、幹事長を辞任した同じく再編論者の民主党の細野豪志(ごうし)氏が自由な立場で連携を強め、再編の輪が広がる可能性はある。事実、江田氏は細野氏に対し好印象を抱いている。だが、民主、維新、みんなの執行部にみられるのはあくまでも内向き志向。再編に向けて動き出す気配は感じられない。(坂井広志/SANKEI EXPRESS

ランキング