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就職相談バーで「本音」トーク(下) いいビジネスマンは「人を気遣える」
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「勉強と遊びを融合させることで、本当の意味での深い教養、考える力を身につけることができるのです。世界には、本当にたくさんの文化や生活があって、それぞれの人々が暮らしています。日本にいると、大学を卒業して企業に正社員として雇用され、65歳まで働き、年金で生活する、というのが当たり前に思えるかもしれませんが、60億人の世界でそれは少数派ですよね? そんな風に考えたことがあるのか、ないのか。そういう思考の積み重ねの先に多面的なモノの見方ができる素養があると思います」
――いいビジネスマンとは?
「例えば、私の仕事において大切な能力が一つあります。それは“人の目利き”をする力です。人材エージェントの仕事は、求職者と企業とのマッチングです。これまで4000人以上の人の相談を受けるなかで、見識眼を身に付けることができました。そして、バーのマスターという視点を持つようになってから、スーツを脱いだ時の立ち振る舞いに人の本質が現れるということに初めて実体験的に気づき、“いいビジネスマン”と“そうでないビジネスマン”の見分けが非常にうまくなったと自負しています」
――どんな人が、いいビジネスマンになれる?
「具体的に言うと、いいビジネスマンの条件は、人のことを気遣えることです。当たり前の話ですが、ビジネスは商品やサービスを提供して、その対価を頂くものです。そして、企業とは収益を最大化させることを目標に集まった人の集合体です。当然、支出を減らして収益を増やすことを常に志向します。そうした中で企業同士が売ったり買ったりの取引をしたり、競争をしたりしているわけです。自社の利益ばかりを追求していては、仕入れ先の企業が倒産してしまい、新しい仕入れ先が見つからなくなるかもしれません。『買ってやっているんだからこちらの方が立場が上だ』などと思っていると、味方を失ってしまうことにもなります。“ビジネス”という言葉からは、拝金主義のロジカルな世界という印象を受けるかもしれませんが、その本質は人のことを気遣い、双方の利益が長続きするような良好な関係を築き、維持することにあります。いいビジネスマンは、そういうことをしっかりと自覚して立ち振る舞える人です。その素養を早く身に付けることができる人と、そうでない人の成長の速度は段違いです。入社してすぐに出世していく人と、そうでない人…。どうせなら、自分の価値を高めながら働きたいですよね」
――どうすればいいビジネスマンになれる?
「早い段階から、たくさんの経験をして、さまざまな人の生活と存在を知り、人に気遣いのできる人間になることが、実はいいビジネスマンになるための近道だったりするんです。こういったことは、学校では教えてくれないので、“学校外での時間の過ごし方”によって歴然とした差が生まれるのです。そのために、大学生には、『夏休みはとにかく遊びまくれ』なんてことを言ったりします。机の前に座っていては経験できないことが、世界中にあふれているのです。大学生に長期休暇が与えられているのは、そういった世界に触れるためではないでしょうか。時間を有効に活用するということは、いつも最短ルートで走れ、ということではないのです。『急がば回れ』ではないですが、時間をかけて経験を積んで、やっぱり買ってでも苦労をすることが、大切だと思っています」(今週のレポーター:上智大学 有志学生記者 高橋輝/SANKEI EXPRESS)
自分の人生を決める大きな決断である「就職活動」にあたって、頼りにできる相談相手を探していた。インターネットで就活について検索してみても、実際のところがよくわからない。どこの企業のホームページにも魅力的なPRが書いてある。でも、自分に合ったオンリーワンのお見合い相手を見つけ出すことはどうもできそうにない。そう思った時から、実際にいろいろな人のところに足を運んで、話を聞くことにした。そうして出会ったのが、“やっさん”であり、「とこなつ家」というバーだった。
「会社で働いたことがない」というのは、22歳の学生にとっては当たり前のことであり、だから「会社ってそもそもどういうものだかよくわからない」のもまた当然のことであると気づかせてくれたのは、他でもなく“やっさん”でした。
世界が大きく開けた気がした。池袋のバーで楽しそうに人生やビジネスのことを語るマスターに出会い、肩の荷が軽くなった。
就職活動も、人生の中のたった一つの過程でしかない。失敗したって死ぬわけじゃない。この夏、もっとたくさんのビジネスマンに会って、「いいビジネスマンとは?」と、インタビューをしてみようと決めた。どんな職業に就けばいいのか、どんな企業に就職すればいいのかということではなく、「自分がなるべき姿」と向き合ってみようと思う。
取材に応じてくださった鈴木康弘さん、本当にありがとうございました。
■「とこなつ家」 <営業時間>火曜~木曜18:00~24:00、金曜・土曜18:00~翌朝5:00。※定休日は日、月曜、機嫌の悪い日(基本的に毎日ゴキゲンです☆)。(電)03・5944・8503 tokonatsuya.jp