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日本アニメ映画の巨匠、夢描いた34年 宮崎駿監督引退

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日本アニメ映画の巨匠、夢描いた34年 宮崎駿監督引退

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長編映画の監督を引退することが明らかになった宮崎駿監督。世界三大映画祭という場での発表は異例だ=2009年8月、東京都小金井市のスタジオジブリ(奈須稔撮影)  ≪ジブリ社長、ベネチアで発表≫

 「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」などで知られ、世界で高い評価を受ける日本アニメ映画の巨匠、宮崎駿監督(72)が引退することが9月1日、明らかになった。

 イタリア・ベネチアで開催中の「第70回ベネチア国際映画祭」の公式会見の席上、電撃的に発表された。映画祭には監督の最新作で、日本で公開中の「風立ちぬ」がコンペ部門に出品されている。宮崎監督は今月(9月)6日にも東京都内で会見し、引退についての真意を語る。

 最後の長編「風立ちぬ」

 「『風立ちぬ』を最後に宮崎監督は長編映画の製作から引退することを決めました」

 公式上映の前に慣例として行われる会見も間もなく終了というその時。スタジオジブリ代表取締役社長で、今回の上映に合わせて現地入りしていた星野康二氏(57)から衝撃的な言葉が飛び出した。

 米アカデミー賞長編アニメ作品部門でオスカーを獲得した「千と千尋の神隠し」(2001年公開、興行収入304億円)をはじめ、世界に熱狂的ファンを持つ宮崎監督に関する突然の発表は、05年に優れた映画人に贈られる栄誉金獅子賞が授与されたゆかりあるこの映画祭がふさわしかったのか。突然の発表に、驚きの声がもれた。

 体力的な限界

 宮崎監督は1997年の「もののけ姫」(興収194億円)以降、体力的な限界を理由に、何度か引退を示唆したことがあった。だが、作品がヒットし、子供たちが喜んでいる反応を知ると、子供たちに夢を見せ続けたいとその度に思いとどまってきた。

 とくに、前作「崖の上のポニョ」(2008年、155億円)は自身最多となる17万枚の作画を描き上げ、精神的にも肉体的にも消耗が激しく最後の長編にするという考えがあったという。

 だが、興行面で前々作「ハウルの動く城」(04年、196億円)に及ばなかったこともあり、「もう1本」と決意を持って臨んだのが、5年ぶりとなる新作「風立ちぬ」だった。

 新作でファン層拡大

 「風立ちぬ」は、零戦設計者の堀越二郎(1903~82年)という実在の人物を通し、宮崎監督がこれまで描いてきた「戦争の愚かさ」に真っ向から向き合った。新たな挑戦は従来のファン層を広げ、7月20日の公開から興収80億円を突破(8月26日時点)している。

 宮崎監督は79年の「ルパン三世 カリオストロの城」で劇場映画監督デビューして以来、計11本の長編映画を手掛けた。その累計興収は、「風立ちぬ」まで含めると約1000億円になる。名実ともに日本アニメ映画、日本映画のトップにいる宮崎監督の引退について、ジブリの社長が、国際映画祭の公式会見という世界発信の場で明言したことは、監督の決意が固いことのあらわれとみられる。

 近く予定される会見で、宮崎監督は、34年にわたる監督生活にピリオドを打つ心中を、どのような言葉で語るのか。(SANKEI EXPRESS

 ■みやざき・はやお 1941年1月5日、東京都生まれ。学習院大学を卒業後、東映動画(現東映アニメーション)などでアニメーターとして活躍しテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」が話題になる。79年、「ルパン三世 カリオストロの城」で劇場映画を初監督。85年に高畑勲監督とともにスタジオジブリを設立した。2001年公開の「千と千尋の神隠し」は日本での歴代映画興収記録1位の大ヒットとなり、ベルリン国際映画祭でアニメ史上初の金熊賞、米アカデミー賞長編アニメーション作品賞を受賞。昨年、アニメ監督としては初めて文化功労者に選ばれた。ほかに「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「崖の上のポニョ」など。

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