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経済
トヨタは高速道限定 「自動運転車」15年実用化へ
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トヨタ自動車は10月11日付で、高速道路でドライバーが運転操作をしなくても走行する「自動運転車」を2015年にも実用化すると発表した。人為ミスによる事故の防止が期待できる自動運転車は「究極の安全技術」ともいわれる。ドライバーの負担軽減や渋滞緩和にもつながり、世界の自動車メーカーなどが開発にしのぎを削っている。
実用化する自動運転技術は、衛星利用測位システム(GPS)と車に取り付けたセンサーを組み合わせ、高速道路の白線に沿って自動的にハンドルを操作して走行する。カーブで速度が出すぎていると、自動でブレーキをかけ減速する。
先行車と無線通信をしながら、追従走行できるシステムも搭載。瞬時に先行車の加速や減速に反応し、車間距離の調整やブレーキ操作を行う。無駄にブレーキをかける回数が減り、渋滞緩和の効果も見込める。
トヨタは1990年代後半に開発に着手し、約2年前から公道実験を始め、実用化にめどをつけた。まず高速道路での走行に限定し、市販車に採用していく計画だ。
高速道路に限定したのは交差点がなく歩行者もいないためで、危険性が低いと判断した。ドライバーには万一に備えてハンドルに手を添えることを求める。自動運転では車線変更や追い越しはできない。
自動運転技術ではこのほか、時速40キロ以下の走行時に車道へ飛び出してきた歩行者との衝突を回避する自動ブレーキシステムを幅広い車種に搭載することも決めた。価格は10万円未満に抑える考え。
トヨタの吉田守孝常務役員は「運転支援などを通じて、死傷者を減らしていきたい」と話している。
「夢の車」とされた自動運転車の実現が間近になってきた。人為的なミスによる事故を防ぐだけでなく、体が不自由な人や高齢者でも使える新しい移動手段としても期待を集めている。
日産自動車と独ダイムラーは、行き先を設定するだけでドライバーが運転をしなくても目的地までたどり着ける“完全自動運転車”を2020年に発売する計画を表明している。ホンダも水面下で開発中だ。
10年に開発に着手しすでに公道試験を繰り返している米グーグルは、17年の実用化を視野に入れている。IT業界を巻き込んだ開発競争が激化しており、普及が進めば自動車業界の勢力図が一変する可能性を秘めている。
ただ、これまでハンドリングやエンジンなどの性能を競ってきた自動車メーカーのなかでは、「運転する楽しみ」を奪う、コンピューター制御の自動運転技術に懐疑的な意見も少なくない。
各国の道路交通法は、自動運転を想定していないほか、自動運転車が事故を起こした場合、誰が責任を負うのかといった課題もある。このため、トヨタ自動車では「まずは運転支援としての位置づけだ。法整備も含め、クリアする課題は多い」と指摘している。(SANKEI EXPRESS)