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国を愛し誇り持つことの大切さ 鈴木日宣

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国を愛し誇り持つことの大切さ 鈴木日宣

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日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=7月10日、千葉県内(瀧誠四郎撮影)  紅葉の美しい季節ですね。外に出るとひんやりとした空気に思わず肩をすぼめてしまいますが、境内の紅葉の鮮やかさがふと目に入りますと寒さを一時忘れます。立冬を迎え、これからは本格的な冬の到来。セピア色の冬景色の前に、心に焼き付く美しい風景を見せてくれる自然界に感謝です。

 「愛国心のない人間と自国の歴史を知らない人間は軽蔑される」

 海外出張の多い知人からそんな話を聞いたことがあります。日本では「愛国心」という言葉はタブー視されていますのでなんだか口に出しづらいというのが現状でしょう。しかし「愛国心」を持つことは決して悪いことではなく、また特別なことでもありません。日本以外の国では幼いころからしっかりと「愛国心」を育てる教育をしています。それは国民が「愛国心」を持つことが、国にとっていかに重要であるかを裏付けるものです。

 心ゆがめる自虐史観

 しかし今の日本の教育現場では逆に「愛国心を持たせまい」としている様子が伺えます。以前檀家(だんか)さんから、学校で自虐史観を教わってきた中学生が自分の祖母にむかって「おばあちゃんの世代の人たちが戦争で悪いことをしたんだ」と怒りながら暴言を吐いたという事実を聞きました。一部の教育者が多感な年頃の子供に「こんな国になんて生まれてきたくなかった」と思わせる、愛国心どころか国に憤りや恨みを持たせるような教育をしています。悪には悪の果が、善には善の果が出るというのが因果の道理です。喜び多く、明るく優しい気持ちを持つ教育はおおらかで豊かな心を育てるでしょう。しかし、わざわざ恨みや憎しみを抱かせるような教育で子供たちはどんな立派な心を持つ日本人になるというのでしょうか。心をゆがめる自虐史観は一掃されねばなりません。

 ワールドカップで日本が優勝した。オリンピックで日本人が金メダルをとった。表彰式に君が代が流れるなか、日の丸が厳かにあがりはじめる。心は高揚し、国歌が妙なる調べと聴こえ、国旗がとても美しいものに見えるその瞬間、あらためて日本を誇らしく思い、日本人として喜びが胸いっぱいに広がる-。そんな経験が誰にでもあることでしょう。それが私たちの心に素直に顕れてくる「愛国心」であり、「日本人の心」のほとばしりなのです。

 揺るがぬ大きな自信

 日本人ならば海外から「日本は素晴らしい国だ」と褒められたとき、喜びの心が起こらない人はまずいません。その時は「そうなの。私たちの国は素晴らしいのよ」と堂々と胸を張りましょう。ほら、国を誇らしく思うと、同時に自分にも自信がわいてきませんか。小さな自己にとらわれた自信はすぐに揺らいだり喪失してしまいますが、素晴らしい国家の国民であるという自信は「自分は日本人である」という意識に根っこを張り、少しぐらいのことで揺らぐことはありません。愛国心を持つことは「日本人の根っこを張る」ということなのです。

 昔、公が重んじられ、国を心から愛していた日本人は国民性も立派で、その高邁(こうまい)な精神は世界から尊敬されていました。私はまた必ず世界から尊敬されるときが来ることを信じています。日本民族には今も昔と変わらないその素質が大いにあるのですから。

 ≪人格形成の基礎 徳育学び、実践すること≫

 寺院から少し歩くと田園風景が広がります。しかし道路沿いにある田んぼにはポイ捨てのゴミが散乱しています。また以前高速道路を走行中、前を走る車の窓からゴミが捨てられ、危ない思いをしたことがありました。ゴミはゴミ箱に、ゴミ箱がなければ家に持って帰るかゴミ箱のある場所まで持っていく。人に迷惑をかけないなどなど。誰でも子供のころに教えられているマナーやモラルなのに守っていない大人がたくさんいます。学校や家庭で徳育がないがしろにされてきた結果ではないでしょうか。

 今ようやく修身教育が見直されてきました。修身には、「家庭の躾(しつけ)」「親孝行」「博愛・慈善」「責任」「友情」「誠実」「反省」「正直」「克己」「謝恩」「公衆道徳」「国際協調」などの徳目があります。人間形成には欠かすことのできない大切な事柄ばかりですが、学校で修身を学んだとしても実践されなければ身に備わりません。実践の場はやはり家庭であると思います。まず子供のお手本となりしつけるのは一番身近な親だからです。

 木の葉が生い茂り、花が美しく咲くためには根をしっかりと張ることが大切です。よい家を建てるためには、がっちりとした基礎造りが大切です。立派な人格を養うためには人としての基礎造りである徳育を学び実践することにあると思います。世の大人たちも人格形成の基礎造りができているか、もう一度見直し、誰に見られても恥じない人間性を持ちたいものですね。(尼僧 鈴木日宣/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS

 ■すずき・にっせん 1961(昭和36)年6月、東京都板橋区生まれ。音楽が好きで中学では吹奏楽部に入りクラリネットを担当。高校生の時、豊島区吹奏楽団に入団。音楽仲間とともに青春時代を過ごす。

 7年間社会人を経験したあと内田日正氏を師として26歳で出家。日蓮宗系の尼僧となる。現在は千葉県にある寺院に在住し、人間界と自然界の間に身をおきながら修行中。

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