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ドイツに初の女性国防相 「未来の宰相」は7児の母

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ドイツに初の女性国防相 「未来の宰相」は7児の母

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 ≪第3次メルケル政権、閣僚人事発表≫

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相(59)は12月15日、第3次メルケル政権の閣僚人事を発表し、婦人科医の資格を持つ7児の母親、ウルズラ・フォンデアライエン労働社会相(55)を女性初の国防相に指名した。ドイツに女性の国防相が誕生するのは初めて。政治家としての資質に加え、テレビ向きのルックスの良さと雄弁さで知られ、42歳で政界入りしたにもかかわらず頭角を現した。首相とは女性の権利に絡む問題で激しく対立したこともあるが信頼は絶大で、現地メディアはメルケル首相の有力後継者と報じている。

 英・仏語話す国際派

 「彼女は常に社会政策とともに国際問題に関心を持っていた。非常にエキサイティングで挑戦的な任務に取り組むことになるが、彼女は非常にうまくこなすと確信している」。メルケル首相は15日、ベルリンで開いた会見で、フォンデアライエン氏への期待感をこう表明した。

 メルケル首相が党首を務め、9月22日の総選挙で第一党となった保守系与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と最大野党の中道左派、社会民主党(SPD)は3カ月近い連立協議の末、14日にSPDが党員投票で大連立を承認。15日に閣僚人事が発表された。第3次メルケル政権は17日に正式発足する。

 フォンデアライエン氏はベルギーのブリュッセル生まれ。父親はCDU所属の政治家で、北西部ニーダーザクセン州の知事だった。流暢(りゅうちょう)な英語とフランス語を話し、1978年にはロンドン大学傘下のロンドン政治経済学院(LSE)で学位を取得した国際派だ。

 保守政治の中核に

 今回と同様、SPDとの大連立となった第1次メルケル政権(2005~09年)でCDUから家庭相で初入閣。閣僚を務めるのは3期連続だが、2011年にはギリシャへの緊急融資に絡む担保差し出し問題や企業の女性役員の比率を法律で定めるか否かといった問題でメルケル首相と激しく対立した。

 しかしメルケル首相はフォンデアライエン氏の高い人気が今後、女性票の獲得につながると判断し、国防相への起用に踏み切ったとみられる。ドイツの週刊誌シュピーゲル(電子版)は「今回の起用で彼女はCDU内でプリンセスの役割を演じることになるだろう」と報じ、次世代のドイツ保守政治の中核を担う人物になると指摘した。

 それだけにフォンデアライエン氏に課せられた任務は厳しい。まずは前任者たちが失墜させた国防相のイメージ回復だ。

 フランツ・ヨーゼフ・ユング氏(64)は、国防相当時の09年9月、ドイツ連邦軍が中東アフガニスタンで引き起こした誤爆事件で連邦議会に虚偽報告していたことが分かり、直後に引責辞任。後任のカール=テオドール・ツー・グッテンベルク氏(42)も論文盗用が発覚して11年3月に辞任した。また、アフガニスタンに派兵している4500人を14年末までに撤退させるという難題も待ち構える。

 しかし、地元紙のコラムニストが15日「彼女を知っている人は、彼女が困難な仕事をやり遂げるタフさを持っていることを知っている」と評するなど、ドイツ国内では彼女の手腕に期待する声があがっている。(SANKEI EXPRESS

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