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イメージ覆す…「陰湿な目」 フランス革命ロベスピエール 顔復元

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イメージ覆す…「陰湿な目」 フランス革命ロベスピエール 顔復元

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フランス・首都パリ  フランスの法医学者らの研究グループが、フランス革命時の最高指導者の一人で「恐怖政治」を断行して約2万人を断頭台(ギロチン)に送って粛清したことで知られるマキシミリアン・ロベスピエール(1758~94年)の顔を、デスマスクなどを元に3Dスキャンを使って復元した。12月20日発行の英医学誌「ランセット」に発表されたが、これまで複数の肖像画が伝えたロベスピエールの端正なイメージとは異なり、復元した顔は、あばた顔で陰湿な目つきをしたものとなった。仏国内ではこれに、「政治的意図があり、歴史を捏造するものだ」などと左派系政治家らが反発。論議が巻き起こっている。

 「あばたの痕跡確認」

 AP通信などによると、ロベスピエールの顔を復元したのは、法医学者のフィリップ・シャルリエ氏とフィリップ・フローシュ氏を中心としたグループ。ロベスピエールは恐怖政治を敷いた後、権力闘争に敗れて自らも断頭台の露と消えたが、シャルリエ氏らは、有名な蝋人形師のマダム・タッソー(1761~1850年)が作成したデスマスクと不健康だったとされるロベスピエールに関する現存する複数の診断書を元に、顔を復元した。

 20日、パリ郊外のモンティーニュで会見したフローシュ氏は「精査の結果、ロベスピエールは自己免疫不全と類肉腫症(サルコイドーシス)を患っていたことが分かった。デスマスクからも、あばたの痕跡が確認された」と語った。複数残されているロベスピエールの肖像画は、いずれも目元がすっきりし、あばたが描かれているものもなかっただけに波紋を広げた。

 「革命における政府の基礎は徳と恐怖である」と述べたロベスピエールは、世界史的に粛正やテロの元祖と位置づけられ、忌まわしい政治家として認識される一方、左派、特に極左の政治家・活動家たちの間では、清廉で正義(徳)に殉じた政治家として崇められている。

 左派政治家が反発

 パリ市議で極左政党幹部のアレクシス・コビエール氏は「この復元顔は、こういう顔であって欲しいと願う政治的メッセージであり、彼を貶めようとする意図がありありだ。ロベスピエールこそ社会正義のチャンピオンだ」と仏メディアに語った。

 フローシュ氏は「正確さには疑いの余地がない」と主張するが、タッソーが作ったデスマスクそのものに疑念を呈する見方もある。ソルボンヌ大学でフランス革命を研究する歴史学者のギヨーム・マゾウ氏は「処刑後、ロベスピエールの遺体は直ちに処分されたとみられており、タッソーがデスマスクを作る時間と機会があったのか疑問が残る。また、タッソーは王党派であり、左派のロベスピエールとは政治的にも対極にあった。意図的に偽物を捏造したとしても不思議ではない」と説いている。

 マゾウ氏はその上で、「真偽の判定は、中立を保ち、慎重に行う必要がある。ロベスピエールの人相がどうであったかは歴史的インパクトが大きいからだ」と警告した。

 復元された顔は、フランス革命、そしてロベスピエールがいまだに深く仏社会に波及力を保っていることを図らずも明白にした。(SANKEI EXPRESS

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